私事で恐縮だが、社会人となって、雇われ労働(=サラリーマン)という名の懲役刑(終身刑かもしれない)をくらって久しい。
そして、職場にいると、先輩、後輩、同期問わず、仕事や同僚・上司、社会制度への不平不満を嫌というほど聞いてきた。
特に、管理職として部下を持つようになってからは、下からの不平不満のシャワーの日々である。
今回のテーマである「仕事が遅いか、早いか」、といったものもそういった不平不満の種としては優秀で、
・職場に仕事が遅い人がいて、しわ寄せや尻拭いが辛い
・結局、仕事が遅い人はずるい、楽してたくさん給料をもらっているなんて不公平
・仕事が遅い人を見ているとイライラする
・そもそも仕事が遅いなんては絶対わざとだ!
といったネガティブな感情を職場に供給して人間関係を崩壊させる力を持っている。
このような「仕事が遅い人はずるい」という意見とそれによる負の感情(怒りやイライラ、不公平感)はどう処理をしたらよいのだろうか、といった問題を考察してきたい。
まーはじめに、はっきり言ってしまうと、仕事が牛歩のごとく遅い同僚に囲まれていたとしても、「仕事が遅い人はずるい」といったことは、あまり気にしないようなメンタルを持つようにするべきだ。
ぶっちゃけ、「仕事が遅い人」は外部からどうこうできるわけでもないし、外野が「仕事が遅い人はずるい」と苛立たところで何も変わらないから。
このあたりのところ、以下で解説、整理していこうと思う。
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仕事が遅い人と仕事が早い人の2種類しかいない
冒頭でも書いたように、私は、とある会社でサラリーマンをしている。
多くの人は、私のように雇われの身で会社で働いていると思うが、職場では年齢、性別、能力、趣味嗜好において様々な人が一緒に働いているだろう。
そして、職場が「仕事をする場所」である以上、必然的に、「仕事の早い人」、「仕事の遅い人」という2種類のどちらの人間であるかは、最も重要な分類項目になってくる。
そう、世の中には2種類の人間しかいない。
「仕事が遅い人」と「仕事が早い人」だ。
自分が「仕事の早い人」か「仕事の遅い人」のどちらにカテゴライズされるかで職場での居心地も変わってくるし、職場ヒエラルキーのどの階層に位置するかにも関わってくる。
当然、「仕事の早い人」、つまりは「優秀な人間」であればヒエラルキーの上位に位置するし、誰もがそうありたいと思いがちだが、実はそうではない。
仕事が遅い人はずるいのだ
というのも、多くの、日本の会社の場合、仕事で成した「成果」ではなく、「労働時間」や「会社への忠誠心」が給与に反映されるという不可思議なシステムを取っている。
そのため、仕事が早く、規定の労働時間内でたくさんの業務をこなしたところで、たいした評価は得られないことがある(成果に繋がった部分は多少評価されるものの、耳かきいっぱいの耳垢程度だ)。
それどころか、中途半端に優秀で仕事が早いと、たくさん仕事を片付けても定時で帰れてしまうため、「あいつはサボっている」「会社への忠誠心がない」などと言われることだってある。
一方、あまりせかせかと働かず、仕事が遅いほうが、決められた勤務時間内で対応するのは少ない業務量ですむ。
それにも関わらず、だらだらと仕事をして労働時間が長くなろうもんなら、残業代をたくさんもらえたり、「遅くまで働いてエラい」なんて言われたりする。
こういった不可解かつ理不尽な制度があるため、何故か「仕事が遅い人」のほうが「仕事が早い人」よりも得をする事例が多々あり、真面目に頑張っている方からすると「仕事が遅い人はずるい」なんて不公平感、不満がでてくるわけだ。
「仕事が遅い」は、わざと。←羨ましい
このような状況があると、「そもそも、仕事が遅い人はわざとやてんじゃね?」と感じる人が当然でてくる。
というのも、多くの人は、労働者となって数年もすれば「仕事が遅い人はずるい」「仕事が遅いほうが結局得だ」といったことに気づくのが普通だからだ。
私のような怠け者は、「わざと」「わざとじゃない」に関わらず、「仕事が遅い人」のことを羨ましい・・・と思ったりもするのだが、一方で、クソ真面目な性格が災いして、なかなか「わざと仕事が遅い人」にはなりきれていない。
おそらく、大半の同志たちもそうだろう。
日本人は生真面目な人が多く、給与に見合わない量や難易度の業務を黙ってやり遂げる謎の国民性を持っているのだ。
そういった背景を理解しているからこそ、一層「わざと仕事が遅い人」への不満やイライラの感情も増幅されてしまう。
結局真面目で仕事が早い人は、「仕事が遅い人」のことが羨ましいし、恨めしい、ということに悶々と苦しんでしまう。
仕事が遅い人はずるい・・・が、対処法はむずかしい
「仕事が遅い人」が明らかに得をしているような職場では、「仕事が早い人」の不満が爆発する。
そして、その爆風と熱風はたいていの場合現場の管理職(課長やマネージャー)に向いていく。
「仕事の遅い人」に対して、注意しろ、指導しろ、もっと働かせろ、給料減らせ、管理職の責任だ、というのだ。
ここ数年、私は平社員に毛の生えた程度の底辺管理職をやらせてもらっているが、正直言ってこの手の不満を言ってくる真面目な社員の気持ちは痛いほどわかるつもりだ。
とはいえ、ぶっちゃけ、「そうはいっても、じゃあどうしろと?www」と思いながら、不満を聞いたふりをすることにしている。
もちろん、現場の底辺管理職の一存で給料を減らすことなどできるはずもない。
そもそも考えてみればわかるのだが、「仕事が遅い人」に注意や指導をしたり、大量の業務を割り振ったところで、行動が変わらないのだ。
先に述べたように、現在のサラリーマンの制度の下では、「仕事が遅い人」の方が得をすることが多いのだ。
出世や大きな昇給を諦めて緩く生きたい、だからあえて「仕事が遅い人」をやらしてもらってます、押忍!!、と言っている奴らに少々働きかけても無駄である。
そんなことに労力をかけるくらいなら、こっちだってさっさと仕事を片付けて、家に帰って糞動画でも見ていた方がはるかにマシなのだ。
「仕事が遅いと言われる。」←パワハラになりかねない
なんなら、このご時世、「お前は仕事が遅い」なんて部下に注意したり、無理な量の業務を振ろうもんなら、パワハラになりかねない。
部下の心はガラスのようにもろく、思春期の恋する女子中学生よりも繊細だと思った方がよい。
底辺管理職にとって、パワハラやセクハラをはじめとした、ハラスメントは命取りだ、ハラスメントだけはまずい。
私のような底辺管理職などはいくらでも代わりは効くし、上位の管理職が本気になれば私のクビなど冥王星くらいまで飛んでいくだろう。
そうなってしまうと、ソシャゲに課金したり、流行りの少年漫画を電子書籍で大人買いするといった、ごくわずかな楽しみどころか、家のローンや子供の教育費を支払うといった、家庭内において最低限の立場を保つための活動もできなくなってしまう。
そんなリスクを冒してまで、「真面目で仕事の早い部下」の不満解消に一役買う気などさらさらないし、それに見合う報酬などもらっていないのだ。
「仕事が遅い人は迷惑をかけている」というのはちょっと違う
それに、ちょっと言わせてもらうと「仕事が遅い人」を悪者扱いする人が頻繁に言う、「仕事が遅い人は迷惑をかけている」というのはちょっと違うのではないか。
単に仕事が遅い人が、いったい誰に迷惑をかけているのだろうか。
もちろん、仕事が遅い人はこなす業務量が少なくなってしまい、周囲がその尻ぬぐいをしたり、しわ寄せで業務が増えたりもするだろう。
とはいえ、それが「迷惑をかけている」といえるだろうか?
仕事が増えると迷惑なのか?
たとえ、仕事の遅い人尻拭いで何らかの業務が発生したとしても、その時間も給与は発生するはずだし、ぶっちゃけ嫌なら断れば良いはず。
結果的に、「仕事が遅い人」の尻拭いが嫌なのに、断れないのは自分のせいであって、「仕事が遅い人」のせいではいのだから。
仕事が遅い人のしわ寄せ業務や尻拭いが嫌ならば、やらなければ良い
はっきりいって、仕事が遅い人のしわ寄せ業務や尻拭いが嫌なら、やらなければ良い。
業務が滞るかもしれないが、それは「仕事の遅い人」のせいなのだから、滞らせれば良いのだ。
その方が、「仕事が遅い人」の問題を可視化することができるし、追加の人員配置だってなされるかもしれない。
会社の業績に多少の影響がでたり、「仕事が遅い人」がだらだらと働いた分、わずかばかりの残業代が支払われるかもしれないが、一般社員にとっては痛くもかゆくもないはずだ。
仕事が遅い人にイライラしたり、不公平感を感じても良い事は無い
仕事が遅い人のしわ寄せ業務や尻拭いを、無理してやってストレスためたり、不公平感を感じて憤慨しところで何も良いことはない。
ストレスや不公平感は人生を貧しいものにする。
「仕事が遅い人」のせいで、自分がイライラして、心貧しく、不幸になっている状況は、「他人に人生の主導権を握られている状況」だ。
少なくとも私は人生において、「他人に握られてうれしいもの」はそう多くはない(下ネタを除けば思いつくものは、寿司くらいだ)。
一秒でも早くそういった状況からは抜け出したほうが良いのだ。
とはいえ、中にはそういったしわ寄せ業務や尻拭いに不平不満を言いながら、「それでも、やってる自分が好き」と感じるMっ気が強めの、自分に酔うタイプのひとが少なからずいるのも知っている。
いち底辺管理職の立場としては、そういった人材は貴重だし、大事にしたいからどんどん泥酔してほしいものだ。
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それじゃあ今回はこれくらいで。
では。
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