特に、看護助手として働き始めて数カ月〜1年くらいで辞めてしまう人、転職してしまう人は多いです。
辞めた理由、転職した理由はさまざまですが、実際、離職率が高いせいか、求人情報を見てみると、看護助手の募集は結構ありまして。
人がなかなか定着しない背景があるのか、医療現場での仕事にもかかわらず、「未経験・無資格でも可」といった条件もよく目にします。
今回は、この看護助手の離職率が高い現実と原因、元看護助手さんたちの、辞めた理由・転職した理由とその後のキャリアについて整理していきたいと思います。
本記事のターゲット:
・看護助手の仕事に挑戦してみたいが離職率が高いのが気になる。
・看護助手を辞めた人の、「辞めた理由」「転職した理由」を知りたい。
・看護助手の離職率が高い原因を知りたい。
・看護助手を辞めた後のキャリアについて知りたい。
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看護助手は離職率が高い
冒頭でも書いたように、「看護助手=離職率高い」というのは本当です。
理由は様々ですが、新しく雇用された看護助手が、数カ月〜1年くらいで、いつの間にか辞めていなくなっていた、とか、新しく入った看護助手になにか問題があって、病院側が辞めさせた、といった話は非常に多いです。
離職率が高いことに加えて、そのサイクルも非常に早い、ということですね。
看護助手に限ったことではないですが、医療現場はどこも人手不足でして、職員の離職率が高く、定着率が低いのは非常にまずいのですが、
離職率が高い→人手不足→未経験でも良いので採用する→すぐ辞める→離職率が高くなる→以降無限ループ
といった具合に、負のサイクルに陥っています。
看護助手を辞めた理由、転職した理由:〇〇なので離職率が高い
看護助手は「離職率が高い=辞める人が多い」ってことなんですが、どういった原因、理由で辞めていくのでしょうか。
ここではせっかく看護助手になった人が辞めた理由(あるいは転職した理由)について整理して行きたいと思います。
看護助手を辞めた理由として、頻度の高いものを挙げておくと、ざっくり、以下のようなものになります。
・看護助手の仕事がハードなので離職率が高い
・給料が安い・待遇に不満なので離職率が高い
・人間関係が悪いので離職率が高い
・仕事のやりがいが無いので離職率が高い
・転職しやすいので離職率が高い
・上位職種にキャリアアップするため(向上心がある人限定)に辞めるので離職率が高い
一つずつ、解説していきますね。
看護助手を辞めた理由、転職した理由:看護助手の仕事がハードなので離職率が高い
別記事でも書いていますが、看護助手の仕事はとにかくハードです。
一日中、病院内を駆け回っていたり、力仕事もあったりして体力的負担が非常に大きいですね。
残業や夜勤の多い職場もあります。
未経験、知識無しで看護助手となった場合は、仕事をイチから覚えながら働くのでさらに大変。
また、看護師のように直接患者の看護をすることは無いのですが、入院患者のおむつ交換などで、他人の汚物を処理するのが日常です。
手術室担当などになると、血液のついた器具や部屋を清掃することもあります。
あまり体力が無い方や、他人の汚物・血液に抵抗のある方にとってはかなりハードな仕事ですので、「もう限界」「やってみたけど、自分には続けられない」といった理由で辞めた人は多いです。
看護助手を辞めた理由、転職した理由:給料が安い・待遇に不満なので離職率が高い
上述のように、看護助手の仕事は決して楽ではありません。
その一方で、あまり給与・待遇面で恵まれているわけでな無いのです。
昨今の医療費削減の流れもあり、どの病院も経営状態が決して良好ではありませんから、結果的に、そこで働くスタッフの給与も抑えられがち。
また病院、医療の仕事というのは、「資格」によってヒエラルキーがはっきりしています。
無資格の看護助手と、有資格者である看護師、准看護師は給料・待遇面でも大きく異なります。
看護助手として、看護師と同じような仕事を何年続けても、「上位」の専門資格を保有している看護師の給与を超えることはありません。
こういった、給与面、待遇面での不満が、看護助手を辞めた理由として挙げられるケースも非常に多いですね。
看護助手を辞めた理由、転職した理由:人間関係が悪いので離職率が高い
看護助手、看護師の職場は女性が多く、人間関係が難しい、というのはよく聞く話です。
特に、看護の現場ではハードで多忙ですので、看護助手や看護師たちは常にストレスを抱えながら働いていることも。
その結果、どうしても人間関係が悪くなったり、ハラスメント、いじめといった、下記のような問題が生じやすい環境下にあるのです。
・職場で無視される
・些細なミスを執拗に責められ、嫌味を言われる
・仕事ができないことを、強くなじられる
・新人看護助手なのに無理な仕事を押し付けられる
こういったことが頻発する職場では、看護助手が辞めた理由として「人間関係が悪い」ことを挙げています。
看護助手を辞めた理由、転職した理由:仕事のやりがいが無いので離職率が高い
看護助手の仕事にやりがいを感じることができない、というのも辞めた理由でよく挙がります。
病院で、患者のケアをする仕事なので、むしろやりがいあるのでは?と感じる人もいるかもしれません。
ところが実際は、看護助手の仕事は、いわゆる看護師の雑用です。
専門資格の必要な業務は看護師や医師しかできませんので、看護助手ができるのは入浴介助やおむつ交換、汚物の清掃、看護師へのナースコールの取次ぎなど。
職場によっては、看護師の小間使いのような扱いを受けることも多く、看護助手になってから数カ月でやりがいを失ってしまし、それが主要な辞めた理由であったりもします。
看護助手を辞めた理由、転職した理由:転職しやすいので離職率が高い
看護助手の仕事は、未経験、無資格でもできてしまう仕事です。
とはいえ、どの病院も、できれば経験者を採用したいもの。
高齢化社会で患者は多いし、看護助手は離職率も高いので、求人もたくさん出ています。
そのため、一定期間の看護助手経験があれば、その後は辞めてしばらく休んでも、再就職は比較的簡単です。
また、現在の職場よりも少し条件の良いところがあれば転職もしやすいのです。
上で書いたような、給与面や人間関係に問題がある職場で働いているのであれば、すぐに辞めてしまっても本人は困らないんですよね。
こういった、「転職しやすい」「辞めても次を見つけやすい」というのは看護助手が辞めた理由、離職率が高い理由の一つになっています。
看護助手を辞めた理由、転職した理由:上位職種にキャリアアップするため(向上心がある人限定)に辞めるので離職率が高い
看護助手を辞めた理由に、「上位職種にキャリアアップするため」というものがあります。
これは、数年看護助手をした上で、待遇面の向上や、担当できる業務範囲・専門性を高めるために、「上位職種」である、看護師を目指して辞める、というものです。
看護助手をやりながら学校に通って、准看護師の資格を取る人もいます。
また、看護助手の経験を活かし、介護系の資格を取得して、介護の道に進む人もいます。
無資格でもできる看護助手の経験をベースに、専門資格の必要な職種にステップアップするのは容易ではありませんので、数としてはそれほど多くありません。
こういった理由で看護助手を辞めた人=非常に向上心の高い人といえますね。
看護助手を辞めた後はどうする?
ここまで書いたように、看護助手を辞めた理由(辞める理由)はさまざまなケースがあります。
看護助手に限らず、仕事は合う・合わないは当然ありますから、辞めること自体は問題ないのですが、「辞めた後」はどうするのか、はとても気になるところです。
当然、「看護助手を辞めた理由」が何だったのか?に影響されるのですが、ここでは、看護助手を辞めた後に、どういったキャリアが選択肢としてあるのか、について整理していきたいと思います。
看護助手を辞めた後のキャリアとして、よくあるのは、ざっくりと、下のような感じです。
・全く異なる業界で働く
・看護師や准看護師になる(目指す)
・介護系の仕事に就く
・その他の医療系の仕事に就く
一つずつ見ていきましょう。
看護助手を辞めた後:全く異なる業界で働く
看護助手を辞めた後に、看護や医療とは全く関係のない、異なる職種に就く人はたくさんいます。
事務員だったり、アパレルだったり、飲食だったり。
・看護助手の仕事が想像以上に辛かった
・汚物や血の処理が耐えられなかった
・病院という特殊な職場環境や人間関係・ヒエラルキーが合わなかった
こういった人たちは、「医療系の仕事とはもう関わりなくない」と感じているかもしれません。
この場合、看護助手として働いた経験や、身につけたスキルを次の職場では活用できないことが多く、残念ですが仕方ありません。
看護助手を辞めた後:看護師や准看護師になる(目指す)
上の項で少し触れましたが、看護助手からのキャリアップとして、准看護師や看護師になる(目指す)人もいます。
看護助手では担当できる業務範囲や責任が限られているため、もっと看護の現場で活躍したい、と興味を持つ人も多いキャリアパスです。
看護師や准看護師であれば、看護助手よりも報酬面や、職場での立場も向上しますからね。
デメリットとしては看護師や准看護師になるには、学校に通って専門的教育をうける必要がありますので、多少、お金と時間がかかります。
とはいえ、最近では看護助手を経て、40代で准看護師になる方もいたりします。
看護助手を辞めた後:介護系の仕事に就く
看護助手は病院の職種ですが、仕事内容としては介護職に非常に近いものとなります。
そのため、看護助手を辞めた後、介護系の仕事に就くのは比較的簡単です。
看護助手経験者だと採用でも有利になりますし、同じような仕事内容ですので介護未経験でもスムーズに仕事を覚えることができるでしょう。
看護・介護の仕事は好きだけど、病院特有の上下関係に馴染めなかったり、命のやり取りをしている医療現場は辛い・・・という人は介護職のほうが良いのかもしれません。
看護助手を辞めた後:その他の医療系の仕事に就く
看護助手は辞めたけど、それ以外の病院関係の仕事に就くのもよくあるキャリアです。
具体的には、医療事務や調剤薬局事務です。
看護助手を経験していれば、医療制度や周辺の専門用語も少しわかるようになっていたりするので、これらの職種でも活かせるでしょう。
事務系の業務中心ですから看護師ほど体力的には辛くないですし、現場で直接患者と接することも少ないため負担は小さいでしょう、
また、医療事務や調剤薬局事務は、看護助手と同様、専門資格は不要です(未経験や、通信教育でも取れる民間資格を取得すればOK)。
なんだかんだで病院や医療機関での仕事は、(給料は安くても)安定していますし、世間体も悪くはありませんから、零細企業で事務員やるくらいなら病院で働きたいという人も多いのです。
看護助手を辞めた理由、転職した理由は?離職率が高い原因を解説!辞めた後はどうする?【まとめ】
以上、看護助手の離職率が高い現実とその理由を整理しつつ、辞めた後のキャリアについてまとめました。
結論としては、看護助手の離職率が高いのは本当で、辞める人は非常に多いです。
特に未経験で看護助手になった人がすぐ辞めるのはよくある話で、辞めた理由としては下記のようなものがおおいですね。
・仕事がハード
・給料が安い・待遇に不満
・人間関係が悪い
・仕事のやりがいが無い
・転職しやすいので、別の病院へ転職
・看護師など上位職種にキャリアアップする
必ずしも悪い理由ばかりではないものの、あまり長く続けるには人気の無い仕事であるのも事実ですね。
実際、辞めた後は、看護助手や病院関係の仕事そのものが嫌で、全く異なる仕事に就く人が多いのも事実です。
一方で、看護助手の経験を活かして、介護職で活躍したり、医療事務や調剤薬局事務などの医療系の仕事を続ける人もいます。
あと、個人的には向上心を持って、看護助手から准看護師や看護師にキャリアアップできると良いのでは無いかとも思います。
それじゃあ今回はこれくらいにしておきます。
本記事が、現在、現役の看護助手、あるいは看護助手の仕事に興味があるが離職率が高いことが気にある方の参考になれば幸いです。
では。
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