というのも看護助手の仕事の中でも、「精神科」って結構特殊でして、他の科と比べて仕事内容や、特徴などが若干異なってきます。
他の科で看護助手を経験している人でも、精神科は結構大変で、きついと感じるケースもあれば、看護助手未経験でも、精神科なら向いている(やっていける)というケースもあるようです。
とはいえ、精神科って結構レアですし、いろいろなイメージもあってなかなか実態はわかりにくいもの。
そこで、この記事では、精神科の看護助手として働くことのメリット、デメリット、きつい、辛い面と、その特徴について整理しておきます。
・精神科の看護助手の仕事内容に興味がある
・精神科の看護助手がきついという噂が気になる
・精神科の看護助手の求人に応募しようか迷っている
・精神科の看護助手として働く予定がある、または最近働き始めた
こういった方の参考になれば幸いです。
精神科の看護助手の仕事内容はきつい?何をするの?
まず、精神科の看護助手の仕事内容はきついのか、いったい何をするのか?という点について。
基本的には、精神科の看護助手であっても、仕事内容は他の科とは大きくかわりません。
看護助手の業務内容は、看護師のサポートや病院業務の雑用です。
具体的には、
・カルテや書類整理などの事務作業
・患者の世話、案内や清拭(体拭き)、汚物の処理(おむつ交換含む)
・入院患者の入浴介助
・医療器具の清掃や準備
・ベットシーツ交換などの清掃作業
といったところ。
精神科だからといって、基本的な業務内容が特別「きつい」「辛い」といったことはありません。
むしろ、身体的には健康な患者も多いため、介助や汚物処理といったお世話系の業務は、体力面では楽かもしれません。
一方で、精神的に不安定な患者さんを相手にしますので、暴言を吐かれたり、時には暴力行為を受けることがあります。
精神科の場合、なかには、体が元気で、若い男性患者もいますので、暴れたり、暴力行為に出られると大変ですし、怖いとおもいます。
看護助手として接するなら、会話をするときは、神経を使いながら言葉を選ぶことが必要になる場面もあるでしょう。
とくに精神科の閉鎖病棟に入院しているような比較的重症な患者さんの場合は、最大限の注意をはらうことになります。
こういった、精神的なストレスというのは、精神科の看護助手として働くうえで、結構「きつい」要素となるケースもあります。
精神科の看護助手のメリット
すでに述べたように、身体的には比較的元気で、自分のことは自分でできる患者さんの割合は高いです。
そのため、入浴介助や、移動に伴う介助業務は、他の診療科の看護助手に比べると少なくなりますので、看護助手として働くに当たり「体力面」では比較的負担が少なく、メリットと言えるでしょう。
また、これにより、それ以外の看護助手業務を担当する機会が増えますので、病院関係の事務や、医療行為の補助、医療器具のセットアップ業務などに集中でき、関連知識を増やすことができます。
加えて、日本においてはどうしても「精神科」のイメージが悪く、他の診療科に比べると、なかなか求人に応募がないこともあるようですね。
そのため、
・看護助手として採用されやすい
・時給が良い
・勤務形態的に、他の診療科の看護助手よりも条件がよい
といったことが、精神科の看護助手のメリットとしてあります。
精神科の看護助手、きつい・辛い・辞めたい?デメリット
一方で、精神科の看護助手の場合のデメリットである、きつい・辛い点について。
ぶっちゃけると、精神科の看護助手のきつい、辛い点は少なくなく、それが原因で辞めたいと感じたり、実際に短期間で辞めてしまうケースもあります。
精神科の看護助手、きつい・辛い点を挙げると、下記のようなものがあります。
・精神科では看護助手同士の人間関係が、特にきつい、辛い
・精神科では看護助手への患者からの暴言、暴力が特にきつい、辛い、怖い
・精神科で看護助手は、精神疾患の重症患者を目の当たりにしてきつい、辛い、怖い
まー、これらをどれくらい「きつい」と感じるかは、個人差があると思います。
でも、ぶっちゃけ、他の診療科で看護助手を経験していたり、介護施設での勤務経験がある、くらいではどうにもならないくらい大変に感じる人もいるでしょう。
すこし解説しておきます。
精神科では看護助手同士の人間関係が、特にきつい、辛い
精神科や他の診療科に関わらず、看護助手は人間関係の悪い職場が結構あります。
別記事でも書いていますが、看護助手は同僚看護助手や看護師、患者からのいじめにあったりすることも。
その看護助手の人間関係は、精神科では特に悪かったりするので要注意。
理由は、通常の診療科と比べて精神科の看護助手やそのほかの医療スタッフが、大きなストレスを抱えているからです。
というのも精神科の患者さんの扱いは非常に神経を使います。
ささいなミスや、言葉遣い、やり取りを誤ると、突然激昂したり、暴れたり、暴力をふるうなど、いつ爆発するかわからない患者さんの相手をしないといけないから。
その結果、職場の雰囲気はピリピリしますので、職員同士の人間関係が悪く、ささいなことで叱られたり、理不尽に怒られたり、文句を言われる(言う)、きつい言葉での物言いが日常茶飯事・・・といったこともあり、かなりきつい・辛いと感じる人もいるのです。
精神科では看護助手への患者からの暴言、暴力が特にきつい、辛い、怖い
患者が医療機関の職員に対して、理不尽に怒ったり、クレームをつけたりする、いわゆる「モンスターペイシェント」の問題が知られていますが、精神科では特に要注意となります。
当然といえば当然なのですが、精神科の患者さんなので、精神的に不安定だからです。
突然、キレて怒鳴りつける人もいれば、大声で泣き叫んだり、奇声を上げる患者さんもいます。
そして、暴力や暴言の矛先は、身近な看護助手や看護師に向くのです。
相手は注意したり話してわかる状態ではなく、暴言は聞き流し、暴れたら押さえつける・・・というくらい
しかできることはありません。
しかも、精神科の患者さんは、身体的には健康で、「元気に」暴れて、暴言を吐いて来たりするので、大変です。
タチの悪い患者の標的にされると、毎日のように暴言、暴力を受けることもあり、もはや精神科の看護助手がきつい、辛いというレベルではなく、毎朝出勤するのが怖い・・・というレベルになることも。
精神科で看護助手は、精神疾患の重症患者を目の当たりにしてきつい、辛い、怖い
精神科で看護助手として長年勤務すると、さまざまな症状の患者さんを目にすることになります。
ぶっちゃけ、重症の患者さんを目の前にすると、かなり衝撃を受けて精神的にきつい、ということも。
あまり、精神科の患者さんに対する間違ったイメージを与えるべきではないのですが、「奇声」「暴力」「暴言」「徘徊」といったものに加え、「排せつ物の垂れ流し」や「自分の排せつ物を食べる」といった様々な症状を臨床現場で目撃してしまうでしょう。
高齢化に伴い、精神疾患と認知症の両方を患っているケースもあります。
精神科で看護助手をやると、そういった患者さんの姿を見るのがきつい、辛いと感じてしまうことも。
精神科の看護助手求人は要注意?きつい職場を避けるポイント
ここまで上げたような、精神科での看護助手のメリット、(と主に)デメリットについて、心配になってくるひともいるかと思います。
一方で、世の中には精神科での看護助手求人も結構あるので、応募していいものか、きつそうだからやめておいた方がいいのか悩みどころです。
まー、これら、精神科で看護助手をやるにあたってのデメリットがどれくらい深刻で、きついかは、ぶっちゃけ職場によります。
確かに人間関係が最悪、重症精神疾患患者ばかりで、かなりストレスフルな精神科もあるのですが、比較的継承患者ばかりで、人間関係も良好、ホワイトな精神科で看護助手をやっている人もたくさんいますから。
そういったところでは、むしろ、身体的には健康な患者さんが多いぶん、精神科のメリットの方が大きくなってきますよね。
ここでは、精神科の看護助手求人に応募する際に、きつい職場を避けるポイントについて少し触れておきます。
ずっと求人がでている精神科の看護助手はきつい案件の可能性大
精神科の看護助手に限った話ではないですが、「常に看護助手の求人が出ている」、「いったん埋まったと思ったらすぐにまた募集がでる」といった場合、かなりキツイ職場の可能性があります。
単純に、
・仕事内容に待遇が見合っていない
・人間関係や職場がきついので人がすぐにやめてしまう
といったことが背景にあるのだと思います。
特に、ぱっとみ条件が良さそう、立地も問題ない、という場合、爆弾を抱えた案件かもしれません。
閉鎖病棟のある大きな精神科病院の看護助手はきつい案件の可能性あり
精神科での看護助手の場合、大きな病院、とくに閉鎖病棟があるような大病院だと、「きつい」可能性が高いです。
通常の診療科なら、大きな病院の方がスタッフも多く、人間関係が気にならなかったり、勤務体系的に楽だったりもするのですが、精神科は別です。
理由は、小さな病院やクリニックよりも比較的重症患者の割合が高いからです。
直接、重症患者を担当しなくても済む場合もありますが、かなり症状の進行した患者さんの近くで仕事をするのは、メンタル面でかなり強くないと難しいですよね。
規模の小さい心療内科の看護助手なら楽かも
最近は精神科でも、街なかの、ちいさなクリニック(心療内科と掲げていることが多い)での看護助手なら比較的楽なケースが多いようです。
患者の症状もそれほど重篤ではなかったり、介護・介助系の体力的に辛い仕事も少ないでしょう。
小さなクリニックであれば、職員同士の人間関係さえ問題なければおすすめです。
ただし、規模が小さいぶん、もし人間関係が悪ければ地獄となりますが。はなく「心療内科」とう看板を掲げているクリニックも増えています。
可能であれば一度看護助手の職場(精神科)を見学に行きたいところだけど・・・
精神科の看護助手をやるにあたり、「きつい」職場を回避するためには、一度見学あるいは偵察にいきたいところです。
具体的には、実際に求人に応募して、面接の際に職場見学も同時にさせてもらうのが良いでしょう。
本当は、リアルな職場の雰囲気を確認するために、一度、患者として受診しておきたいところですが、「精神科」の場合、自身が健康であれば難しくもあります(精神科の患者として通院記録ができてしまうと、その後、応募しても採用されない可能性もありますから)。
精神科の看護助手が向いてる人
ここまで書いたように、精神科の看護助手は、場合によっては他の診療科の看護助手よりもずっと仕事が楽なケースがあります。
一方でs¥、他の診療科ににはない「きつい」「辛い」という特徴もあるのが事実です。
ぶっちゃけ、精神科の看護助手がきついと感じるかどうかは、職場にもよりますが、その人自身のパーソナリティというか性格によるところが大きいです。
人間関係が悪い職場や、重度の精神疾患を抱えている患者をみても、特に気にならない、という人もいるでしょうからね。
精神科の看護助手が向いてる人、というのをあえて挙げるなら、
・重度の精神疾患の患者と接しても気にならない
・患者や同僚からの嫌がらせ、パワハラなんか平気
・精神科以外の看護助手に多い、介助・介護系の力仕事がどうしても無理
といった具合で、メンタルの強さに自信があって、「看護助手の仕事=ただのお金稼ぎ」と割り切れるひとではないでしょうか。
「そんなやついねぇよ!」と言われるかもしれませんが、看護助手含めて、精神科に長年勤務する医療関係者は多いので、「慣れ」もあるのかもしれません。
精神科の看護助手はきつい?辛い?仕事内容と特徴を解説!【まとめ】
以上、精神科の看護助手の仕事はきつい、辛い?という噂について整理、解説しました。
結論としては、下に挙げたように、精神科の看護師特有のきつい側面はかなりあると思います。
・精神科では他の診療科に比べて、看護助手同士あるいはスタッフ間の人間関係がきついことがある
・精神科の患者から看護助手への暴言、暴力はきつい、ときに怖い
・精神科では看護助手が、重度の精神疾患患者を目の当たりにすることがあり、きつい、怖い
とはいえ、競争倍率が低くて、採用されやすかったり、(人気がなくて)時給が良かったりしていい面もあります。
また、患者は身体的には元気なので、介護・介助系の業務が少なく体力面で楽だったり。
実際、上に挙げたようなデメリットが気にならないようなタイプの人や、メリットがデメリットを上回り、「精神科の看護助手」でもきつい、と感じずに長く働いている人もいるんですよね。
もし、精神科の看護助手求人に応募するチャンスがあった方は、本記事の内容が参考になれば幸いです。
じゃあ、今回はこれくらいにしておきます。
それでは。