固定残業代の会社で残業しないなんて無理、やめとけ。ホワイトとは程遠い

固定残業代の会社で残業しないなんて無理、やめとけホワイトとは程遠い

今回は、「固定残業代がある会社で残業しないなんて無理、やめとけ」って話をしていきます。

固定残業代の仕組みを取り入れている会社ってありますよね。

例えば、月の固定給が30万円で、内訳が「基本給が25万円+残業代25時間分=5万円」といった感じ。

これは、みなし残業ともいわれれる仕組みですが、毎月の固定の月給に、一定時間の残業代をあらかじめ見込んで支払いますよというもの。

んで、固定残業代の仕組みの会社で働いている場合、上の固定給30万円の例だと、月の残業時間が25時間以下の場合はお給料が30万円になります。

もしも月の残業時間が30時間だったとすると、お給料は30万円に加えて、25時間にたいする超過分=5時間の残業代が支払われます。

こう聞くと、結構労働者にとって「お得」な仕組みに聞こえますよね。

だって、たとえ25時間分の残業をしなくても、残業代がもらえるんです。

極端な話、早く仕事を終わらせて残業0時間になるように頑張れば、5万円(25時間分)の残業代がまるまる働かずにもらえるというわけ。

逆に残業が25時間を超えたら、その分はちゃんともらえるんですから、労働者側にリスクありません。

「固定残業代、なんてすばらしいんだ!」

「固定残業代の仕組みの会社で、残業しないように頑張るぞ!」

「固定残業代の仕組みを取り入れている会社は、何て社員思いなんだ!ホワイトだ!」

こういう風に感じるかもしれません。

しかし、これは落とし穴。

ぶっちゃけ、固定残業代の仕組みを取り入れている会社で、「残業しない」あるいは、「あらかじめ含まれている残業時間以下におさえる」なんてことは無理ですから、淡い希望をいだくのはやめとけって話です。

ホワイト企業どころか、下手をするとブラック企業のにおいがプンプンします。

説明していきます。





固定残業代・みなし残業代をもらって残業しないのはOK?怒られる?


冒頭でも書いたように、固定残業代の仕組みは、「毎月一定時間の残業代をあらかじめ見込んで、固定額として月給を支払う」というものです。

どれくらいの時間の残業、どれくらいの額の残業代を見込むかはそれぞれですが、20時間~40時間となっているケースが多いかと思います。

平均的な年収の案件だと、月額では3万円~6万円の加算になるかと。

この固定残業代・みなし残業代なんですが、たとえ既定の残業時間を働かなくても、ちゃんと支払われます。

つまり制度上は、全く残業せずに、固定残業代分の給与をうけとることが可能なんです。

極端な話、毎日定時で帰った月も、基本給+固定残業代の月給が保証されるというわけ。

固定残業代・みなし残業代をもらって残業しないことは実質的には可能なのか?


固定残業代・みなし残業代の仕組みは、労働者にとってメリットしかないように見えます。

とはいえ、「固定残業代・みなし残業代をもらって残業しない」ってことが実質的に可能かというと、そうではありません。

理由は、そもそも、固定残業の仕組みを取り入れている会社では、ほぼすべての従業員において、固定残業代として想定した以上の残業が発生するのが普通だからです。

残業が少ない、あるいは、努力次第で見込んだ残業時間以下にできるような仕事ならば、会社は固定残業の仕組みなんか導入しませんよ。

利益を圧迫するだけですからね。

そのため、固定残業代の制度を採用している会社では、長時間労働が常態化しているんです。

毎月40時間以上の固定残業代を設けている会社なんかだと、実質毎月60時間超とかの、かなりブラック気味な企業だと思った方がいいですね。

実際、私は若いころ付き合っていた女性は、「40時間の固定残業代」という給与体系で働いていましたが、毎日深夜まで残業し、休日出勤もこなして、かなりの激務っぷりでした。

また、普通の会社であれば、社員の長時間残業を解消するために、業務効率化・生産性向上のためのインフラ投資を行ったりしますよね。

ところが、固定残業代の制度を採用している会社では、そういった動きは極めて鈍いです。

残業代をあらかじめ固定で支払っているので、なんらかの投資をして残業を減らす、ゼロにするという発想が無いんです。

そもそも、たいていの職種では、仕事なんか無限にあるわけです。

たとえば、営業職とかだと、時間があまりそうなら、飛び込み営業させてもいいし、営業電話をかけさせたらいいですよね。

だから、もしも、固定残業代分の労働時間に満たない社員がいれば、当然、その上司は放置しません。

上司の上司や、人事部からのプレッシャーもありますから、「ちゃんと」仕事を作って指示して働かせようとします。

結局、「固定残業代・みなし残業代をもらって残業しない」ってことは、かなり無理ゲーになります。


固定残業代・みなし残業代の超過分をちゃんと請求しなくなる?


さらに悪いことに、「固定残業代に対する超過分をちゃんと請求しない」という人が時々います。

どういうことかと言いますと、たとえば「30時間の固定残業代」という給与体系で働き、33時間の残業が発生した月には超過分の3時間分の残業代を追加で請求できます。

しかし、この3時間分の残業代を皆が皆、正確に請求するかというと、そうではないのです。
(もちろん、ちゃんと請求する人・ちゃんと支払う会社も多いですが)

前出の、私の過去の恋人の例で言うと、毎月40時間が固定残業代となっているので、45時間くらいだったらもう超過分の残業代は請求しないと言っていました。

「すでに40時間分の残業代が支払われることが確定しているので、5時間くらいは申請するのが面倒だ。私の仕事のやりかた、効率も悪いし」というのです。

もう完全に、感覚がマヒしていますよ。

こういう従業員が何十人、何百人もいると、会社は毎月何時間分の残業を未払いにできるでしょうか(=サービス残業)。

結果的に得をするのは会社なわけです。

完全に会社の思惑にはまっているのかもしれないですね。

固定残業代・みなし残業代の仕組みを企業が取り入れる理由


従業員サイドにメリットがあるように見える固定残業代、みなし残業の仕組みを企業が取り入れるのには理由があります。

固定残業代、みなし残業の仕組みが企業側にメリットが大きいんです。

それは表向きの理由、そして、表に言えない本当の理由について書いていきます。


残業の管理(必要不要の可否、時間の管理)が面倒 ・そもそも定時で終わるような業務ではない ・見た目の額面を多くして、応募数を増やす ・わずかにある閑散期があっても、

企業が固定残業代、みなし残業の仕組みを取り入れる表向きの理由


企業が固定残業代、みなし残業の仕組みを取り入れると、従業員の残業時間の管理の手間が省けます。

一定規模の会社になると従業員数も多く、毎月一人ひとりの残業時間と残業代を細かく管理するだけかなりの労力になります。

固定残業代を定額の給与に含めておけば、その月に、固定残業代分以下の残業時間の社員について残業代を計算する必要がなくなりますよね。

こういった経理上の効率化が、企業が固定残業代、みなし残業の仕組みを取り入れる表向きの理由です。

企業が固定残業代、みなし残業の仕組みを取り入れる表向きの理由【恐ろしい】


一方で、表立って言えない本当の理由というものもありまして。

この辺り、恐ろしい理由も隠れていますし、よくよく考えるとブラックな企業体質が隠れていたりします。

恐ろしい。


そもそも激務でブラックな職場だから


既に書いたように(本記事のメインテーマです)、こういった固定残業代の仕組みを取り入れている職場では、残業しないなんてのは実質的には無理です。

そもそも固定残業代の範囲内では終わらないくらいの残業があるということ。

仮に「40時間の固定残業代」とかだと、毎月50~60時間の残業時間ではたらかされることもあります。

これは流石にきついです。

かなりのブラック企業である可能性大ですね。

見た目の額面給与を増やして有利に求人するため


求人情報の中には、固定残業代の仕組みの求人と普通の求人がありますよね。

このとき、固定残業代の求人だと、ぱっと見、高額報酬の案件に思えてしまいます。

たとえば、下記のような2つの案件があった場合どちらが条件がいいのかわかりません。

・月給25万円(固定残業代40時間含む)

・月給20万円(残業手当等、各種手当あり)

しかし、見た目の額面給与が高額な「月給25万円(固定残業代40時間含む)」が魅力的に思えてしまうものです。

本当は残業代を除いた基本給が低くてもその事実を隠して、応募者を獲得するねらいがあるのです。

残業代の支払いを誤魔化すため


既に書いたように、固定残業代が支払われていると、固定残業時間を少々超過しても申請をしない社員が一定数出てきます。

どうしても、「(総残業代に比して)わずかな差額を申請するのが面倒くさい」、「固定残業時間で仕事が終わらなかったのは自分が悪い」といった思考が働いてしまうもの。

結果、未払いのサービス残業が一定量発生し、それは企業や経営者の利益となるのです。

もとっと悪質な企業では、月間の残業時間が、固定残業時間に満たなかった場合は差額を給与から天引きするといったムチャクチャなことをやってたりします(もちろん違法)。

ホワイト企業なら固定残業代なんて無い


というわけで、固定残業代・みなし残業代を取り入れている会社は、従業員思いのいい会社、ホワイト企業だと思ったら大間違いだということです。


固定残業代の仕組みを取り入れている会社で、残業せずにお金だけもらおう、なんてのは儚すぎるゆめだということ。

死ぬほど働かされるのがオチでしょう。

そもそも、ホワイト企業なら、業務効率化や従業員のワークライフバランスに重きをおいてますから、残業自体がそれ程ありません。

固定残業代がある時点で、やばい会社な可能性大なんですよ。


固定残業代の会社で残業しないなんて無理、やめとけ。ホワイトとは程遠い【まとめ】固定残業代・みなし残業代のある会社ではできれば働くな


というわけで、結論としては固定残業代・みなし残業代のある会社では働かないほうが賢明です。

おそらく就業環境はあまりよくありません。

報酬面だけでなく、業務効率が最適化されていなかったり、長時間労働で同僚たちもボロボロだったりします。

当然、そういった職場は人間関係も問題があったりします。

もちろん中には、固定残業代・みなし残業代のある「ホワイトな」企業もあるかもしれませんし、他に選択肢がないケースもあるでしょうが、見かけの高額な月給に安易に釣られたり、「固定残業代の会社で残業せずに済まそう・・・イヒヒ」と考えるのは危険です。

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それじゃあ今回はこれ位にしておきます。

では。


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