調剤薬局事務の現実:疑問や悩みをまとめて解説

調剤薬局事務現実

今回は「調剤薬局事務の仕事の現実」について、整理していきたいと思います。

世間では調剤薬局事務の仕事というと下記のような「良い」イメージがあるのでははいでしょうか。

・医療に関わる仕事で需要があり安定している

・やりがいがあって楽しい

・専門的な仕事なので給料が高い

・デスクワーク、内勤なので体力的に楽

・それほど忙しくない

・のんびり、ゆったりと働ける

一方で、調剤薬局事務の経験者の話を聞くと、現実はイメージと違う、実際に働いてみたらギャップが大きかったという声も。

「調剤薬局事務は覚える事、勉強が多くて大変」

「調剤薬局事務は薬剤師の下請け、違法行為もやらされる」

「立場が弱く、薬剤師との人間関係に苦労する」

「専門知識が必要なのに、調剤薬局事務の給料は安い」

こういった話を聞くと、自分が知っている調剤薬局事務イメージに疑問が湧いてきます。

調剤薬局事務の仕事に興味がある、あるいはこれから調剤薬局事務として働こうと考えている人は悩み、迷ってしまいますよね。

そこで、本記事では、調剤薬局事務の仕事の現実・現状と、ギャップについてまとめて解説してきます。



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調剤薬局事務の現実はイメージとは違うかもしれない


冒頭でも書いたように、調剤薬局事務と聞くと一般の人は比較的「良い」イメージを持っています。

ぶっちゃけ、それらの「良い」イメージの一部は、教育講座を提供している大手企業によるCM、広告イメージ戦略によるものです。

世の中には調剤薬局事務に必要な知識や、関連する資格取得を目指した通学、通信講座が沢山あります。
それらを販売するために、「調剤薬局事務になりたい」と考えるターゲットを増やす必要があるのです。

特に、下記の3つのメリットは「良い」イメージの典型ですね。

・調剤薬局事務の仕事は需要がある

・医療系の専門職なので安定している

・日本全国に職場があり、出産や育児で休業した女性も復帰が簡単

とはいえ、別にこれらのメリットは決して嘘ではありませんし、たいていの場合間違いなく「真実」です。


ただし、あまりにもこういったメリットばかりが周知されてしまっているため、実際に未経験から調剤薬局事務になってみて、イメージと違う、知らなかった部分に直面してギャップを感じることも多々あるわけです。


調剤薬局事務は難しい、慣れるまで大変。「辞めたい」初心者続出


「調剤薬局事務の仕事は、思ったよりも難しい」

「調剤薬局事務は慣れるまで大変で、ミスばかりしてしまい、毎日辛い」

「調剤薬局事務の仕事を始めたものの、向いてないと感じる」

こういった感想を持つ、調剤薬局事務初心者は非常に多いです。



実際、調剤薬局事務の仕事では、医療保険制度の知識や、膨大な数の医薬品の名称を頭に入れる必要があります。

日常生活では必要が無い知識ですから、当然、調剤薬局事務未経験の素人だと、初めの数か月はかなり辛いです。

また、ある程度PCを扱えるスキルがないと、仕事になりません。


勉強の日々ですし、あまりに覚えが悪いと自信を無くしたり、周囲に気をつかうことになりますね。

数日から数週間働いただけで「辞めたい」と訴える人も続出します。


だから、全くの初心者が調剤薬局事務を目指すなら、ある程度の勉強をしてできれば関連資格を取得するほうが楽です。

調剤薬局事務の仕事そのものは、無資格でもできますし、関連資格はいずれも民間資格です。

そのため、資格を取得したからといって、就職できる・有利になるとは限りません。
あまり意味のない資格もあります。

とはいえ、ちゃんと有利になる・役には立つ調剤薬局事務の関連資格を取得することで、基礎知識もつき、実際に働き出してからの苦労は大幅に減るでしょう。


当然、勉強しないと資格取得は難しいです。

通信講座や通学講座、市販のテキストで独学で学習して取得できる資格もあります(こちらの関連記事が参考になります)




調剤薬局事務は忙しい?意外と楽?


病院の医師や看護師は忙しい、激務だと聞きますが、調剤薬局での仕事(調剤薬局事務、薬剤師)はなんとなく、のんびり・まったりしているイメージがありませんか。

ぶっちゃけこのイメージはあながち間違いではありません。
地域や時間帯によっては、それほど忙しくなく、むしろ暇で楽すぎるというケースもあります。


とはいえ、都心部の、比較的人口が多い地域の調剤薬局は別です。
とくに花粉症やインフルエンザなど、シーズン物の患者が増える時期は、病院だけでなく調剤薬局にも当然患者がおしよせます。

薬剤師も、事務員も大忙し。

また、日々の業務はまったりでも、調剤薬局事務の仕事は休日や年末年始のお休みが少なかったります。


調剤薬局も医療機関ですので、基本的には病院のように休日や土曜日も開局して患者を受け入れます。

年末年始や夏季休業、GWといった時期には、民間企業はお休みなのに仕事で、「よく考えたら忙しいじゃん」、という側面があります。


調剤薬局事務は立ち仕事が多い


調剤薬局事務の仕事は座ってPCを操作するだけだから楽だと思っているひとがいますね。

ところが実際働いてみると、ほとんど立ちっぱなし、一日の業務が終了したら足や腰がぼろぼろ。
そんなことにもなりかねません。


具体的には、下記のような業務では、調剤薬局事務さんは立ち仕事になります。

・近隣への「おつかい」

・患者の受付

・清掃

・備品、資材の搬入、配置

・調剤補助業務

薬局によってはPCも立って入力です。

立ち仕事が多いかどうかは薬局の方針や、調剤薬局事務員の担当業務、薬局内の構造などが要因となって決まります。

体力に自信のない人は、こういった立ち仕事の多い調剤薬局での勤務を回避する必要がありますね。


調剤薬局事務の給料は高くない


調剤薬局に限ったことではないですが、はたらくにあたってとても大切な「給料」の話です。

「調剤薬局事務は専門知識も必要だし、医療系のお仕事なのでそこそこ給料もいいのでは?」

こういったイメージを持っている人も多いかと思います。

でも残念ながら、現実はそれほど甘くありません。
調剤薬局事務の給料は、ぶっちゃけ民間企業の一般事務と同じか、少し安いくらいです。

だいたい平均年収で250万円前後、手取りは毎月20万円未満といった具合です。


もちろん地域や、個々の調剤薬局で待遇は異なりますが、おそらく一人暮らしをするには厳しいくらいの収入でしょう。

実家暮らしの若者なら大丈夫ですが、調剤薬局事務の給料だけで家族を養うとなると、大変です。


調剤薬局事務のストレスは「薬剤師、同僚との人間関係」


調剤薬局事務の場合、「薬剤師や同僚との人間関係」によるストレスに苦しんでいる人はとても多いです。

職場の人間関係が最悪、人間関係が難しい、という調剤薬局事務の声をよく耳にします。

その背景には、調剤薬局事務特有の下記のような事情がありますね。

・薬剤師も調剤薬局事務も女性が多いので「女の職場」特有の煩わしさがある

・国家資格を持っている薬剤師と比べると、どうしても立場が弱くストレスにさらされがち

・未経験から調剤薬局事務になって、なかなか仕事が覚えられず、同僚との関係が悪くなってしまう


また、一部の薬局、薬剤師は、調剤薬局事務員を、「安い使い捨て労働力」といった具合に考えてこき使うところもあります。

中には、薬剤師しかやってはいけない違法行為を、調剤薬局事務に強要するケースも。


そういった調剤薬局を職場に選んでしまうと、かなりのストレスを抱えながら働くことになります。


調剤薬局事務ってそもそも未経験だと採用されにくい


調剤薬局事務に関連した資格学習講座の広告やCMをみていると、「誰でも簡単に調剤薬局事務の仕事に就ける」と誤解してしまう人もいるかもしれません。

しかし、現実は、未経験から調剤薬局事務に採用されることは簡単ではありません。

調剤薬局事務の世界では、未経験からなる人もいますが、経験者のほうが圧倒的に有利です。


とくに条件の良い案件とかだと、求職者が殺到し、未経験者は書類選考で落とされるなんてこともざらです。


調剤薬局事務の「良い」イメージに憧れて、働きたいと思っても結局就職できない、なんてケースもたくさんあります。

調剤薬局事務は楽しいよ、辞めるのはもったいない


ここまで、調剤薬局事務の「良い」イメージとは異なるネガティブな側面について書いてきました。

実際、調剤薬局事務になったものの、こういった事情・ギャップを感じて、結局辞めてしまう人もいます。


特に、いわゆる「ハズレ薬局」に就職してしまった場合は、「良い」イメージに裏切られた気持ちになっているでしょうね。


とはいえ、調剤薬局事務の仕事では、下記のような一般事務にはない喜び、やりがいや楽しさがあります。

・地域の医療へ貢献できる喜び

・責任のある仕事に対するやりがい

・医薬品や医療に関する知識が増える楽しさ


せっかく調剤薬局事務になったのに、「良い」イメージとのギャップですぐに辞めてしまうのはもったいないです。

本記事を読んで、調剤薬局事務の仕事に幻滅するのではなく、良い面も悪い面も含めて正しく理解する助けになれば幸いです。

では。



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