今回は医学部と薬学部の比較の話です。
医学部も薬学部もどちらも難易度の高い医療系学部ですが、どっちがいいか迷う・違いがよくわからないといった人も多いのではないでしょうか。
具体的な悩みとしては、下記のようなものになります。
- 医学部か薬学部、どちらに進学するか迷っている。 医学部と薬学部の違いが判らない。
- 将来医薬品や医療関係の研究者になりたいが、医学部と薬学部のどちらに進学するべきか迷う。
- 医学部と薬学部ではレベルはどれくらい違うのだろうか? 成績が悪いので医学部は早々に諦めた方がいいですか?
- 現役で薬学部に進学するのと浪人してでも医学部を狙うのは、どちらがいいか。
- 薬学部も医学部も大学での勉強が大変だと聞くがどっちが忙しいのか、イメージできない
- 将来医薬品や医療関係の研究者になりたいが、医学部と薬学部のどちらに進学するべきか迷う。
- 医学部と薬学部ではレベルはどれくらい違うのだろうか? 成績が悪いので医学部は早々に諦めた方がいいですか?
- 現役で薬学部に進学するのと浪人してでも医学部を狙うのは、どちらがいいか。
- 薬学部も医学部も大学での勉強が大変だと聞くがどっちが忙しいのか、イメージできない
本記事は、こういった悩みを抱えた人をターゲットにしたまとめ記事となっています。
医学部と薬学部には圧倒的な差・レベルの違いがある:はじめに
医学部(医師)と薬学部(薬剤師)の事情をよく知らない人からすると、どちらも6年制の大学だし、専門的な医療の知識があるえらい先生なんでしょ?くらいの感覚かもしれません。
しかし、それは誤り。
初めに書いておくと、医学部と薬学部にはかなり圧倒的なレベルの差があります。
「何に」関するレベルの差かというと。
- 医学部と薬学部の偏差値・大学受験難易度に関するレベルの違い
- 医学部と薬学部で必要な学費の差
- 医学部と薬学部での勉強・忙しさの差
- 医学部卒業者と薬学部卒業者での収入の差
- 医学部と薬学部で必要な学費の差
- 医学部と薬学部での勉強・忙しさの差
- 医学部卒業者と薬学部卒業者での収入の差
といった点でかなりのレベルの違いがあります。
順番に説明していきます。
医学部と薬学部での偏差値・難易度【大学受験】
薬学部も医学部も世間一般では難易度の高い、難しい学部と思われています。
それなりに偏差値の高い学生でないと進学できないというのが一般的。
しかし、薬学部と医学部を比較してみると、偏差値や難易度はかなり異なります。
医学部受験の難易度は薬学部より高い
例えば、国公立大学の一部は医学部と薬学部を併設しているケースが良くありますよね。
同じ大学の医学部、薬学部を比較すると、医学部の方が偏差値が10前後高かったりします。
どちらも難関学部で、浪人して医学部または薬学部を目指す受験生も多いのが特徴です。
ここでも薬学部では1~2年の浪人が多く、現役合格する割合も高いのに対して、医学部なら3~4年以上の浪人を経て入学するのも珍しくありません。
中には現役で医学部に合格する猛者もいますが、医学部は浪人して入学するというのが一般的といってもいいでしょう。
医学部合格をめざすなら、独学では難しいです。
塾や予備校はほぼ必須だし、医学部に特化した専門コースで受験対策をするのが普通になっています。
医学部入試の倍率は薬学部よりはるかに高い
大学受験に関して言うと、競争倍率も重要なポイント。
ぶっちゃけ言うと、薬学部の場合、大学や地域を選ばなければ、志願者全員が入学できます。
ここ10~20年くらいで、規制緩和により薬学部が新設されたことで定員数が増加したからです。
いわゆるFランク薬学部といわれる偏差値30~40くらいでも狙える薬学部が沢山存在します。
また、薬学部が6年制になったことで、人気が若干低下したことも倍率が低下した要因ですね。
医学部自体が人気が高く、かなりの難易度になるため一人の受験生が複数の大学で受験するのも背景にあります。
将来「医師」という、経済的にも社会的にも安定した地位が約束されているわけですから、当然といえば当然ですね。
医学部受験を諦めて薬学部に進む
そういった背景もあり、医学部を目指して数年間の浪人を経たのち、結局薬学部へ路線変更して進学する人も毎年たくさんいます。
医学部を諦めた後で、薬学部をめざすことのメリットとしては、
- 医学部も薬学部も同じ医療系である
- 医学部を目指して受験勉強していれば薬学部には比較的簡単に合格できる
- 将来薬剤師になったとき、医師との適切な距離を保てて精神的に楽(看護師だと医師の直下で仕事をするので辛い)
といったものが挙げられます。
ぶっちゃけ医学部合格ってのは、努力すればだれでも達成可能というものではありません。
ここが薬学部との明確な差、レベルの違いです。
人によっては医学部受験は「無理ゲー」だということを認識しましょう。
薬学部と違い、医学部受験で多浪をこじらせると、末路が悲惨になってしまいます。
薬学部には仮面浪人で医学部を目指す人も
薬学部の特徴なんですが、学生の中に「仮面浪人して医学部を目指す」ひとが一定数存在しています。
世間体や親の目もあって、何年も医学部受験で浪人できないという場合、とりあえず薬学部に入学しておくというものです。
最終的に医学部に合格できなかった際のリスクヘッジにもなるなど、メリットも大きいので浪人中の人は選択肢として考えてもいいかもしれません。
ただし、薬学部での勉強と医学部受験を両立させる必要がありますのだかなり大変です。
私の薬学部の後輩にも一人いましたが、かなり勉強していました(最終的には医学部に合格し、薬学部を去っていきました)。
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医学部と薬学部で学費はどれくらい違うのか:医者や薬剤師になる費用
医学部も薬学部も成績がいいだけでは入学できません。
大学に収める学費、お金の問題が当然でてきますよね。
国公立大学の場合は、薬学部・医学部の学費はほかの学部と同じ(年間60~70万円程)です。
一方で、私立大学の場合非常に高額になることは有名な話。
私立大学の薬学部の場合、6年間の学費は合計で1200万円~2000万円と非常に高いです。
そして医学部ではさらに高額。
なんと学費だけで3000~4000万円超が必要になってきます。
ただでさえ、「学費が高額」といわれる薬学部の、さらにおよそ3~4倍が必要なのです。
はっきり言って、私立大学の医学部に通学できるのはお金持ちだけです。
こういった事情もあり、私立大学の医学部は国公立大学の医学部よりも若干難易度は低いですね。
貧乏だと、受験すらできませんし、どうしても医師になりたければ必死で勉強して国公立大学の医学部を目指すしかありません。
医学部と薬学部での忙しさと勉強量の違い
よくある質問として、「医学部の勉強と薬学部の勉強はどっちが難しいですか?」「医学部と薬学部はどっちが忙しいですか」というものがあります。
この質問に対しては、「医学部の方が忙しいし、勉強も難しい」というのが答えです。
医学部と薬学部「どっちが大変、忙しい?」は愚問
ぶっちゃけ、この質問は愚問、というかちょっと考えればわかります。
将来「医師」になる医学部と、「薬剤師」になる薬学では、責任の重さが違うのです。
薬剤師は医師から独立はしているものの、基本的には医師の指示したと薬を処方し、管理する仕事です。
一方で、医師は自らの責任の下で診断・判断し、直接患者の体に触れたり、メスをいれないといけません。
当然、医学部のほうがよりたくさんのことを勉強するべきですよね。
薬学部は医薬品に関することが中心ですが、医学部では医療全般の広い知識を頭に入れないといけません。
また、医学部も薬学部も同じ6年制ですが、2006年以前は薬学部は4年制でした。
6年制に移行したことで学習内容が増えた部分もあるのですが、とはいえ、4年で勉強していた分を6年かけて学ぶようになったので多少余裕も出てきます。
薬学部は忙しいといわれてはいるものの、効率よくやればアルバイトやサークル活動を勉強と両立させることは難しくあありません。
一方で、医学部は昔から「8年制への移行を」という意見があるくらい、がちがちにカリキュラムが組まれています。
それをいまだに6年で勉強しているのですから、大変だと想像できますよね。
薬学部でも留年したり、国家試験に合格できない人がいますが、医学部の比ではありません(もともと頭のいい人が医学部のほうが多いにも関わらずです)。
医学部と薬学部では将来どちらが稼げるか?「辛さ」のコスパ
そんな、「受験勉強」「学費」「在学中の忙しさ」で大きな差がある薬学部と医学部ですが、果たしてどちらが稼げるのか。
気になるところですよね。
医師や薬剤師になるまでに費やした努力とお金といった「辛さ」のコスパはどうなんでしょう。
まず、生涯年収でいうと、医師の方が圧倒的に高レベルです。
医学部も薬学部も同じ6年間の教育を経て就く仕事なのに、医者・医師の生涯年収平均は、薬剤師の約2倍にもなるのです。
医師の生涯年収は約5億円、勤務医でも平均年収は1200万円といわれています。
「平均」年収が1200万円なんて、医師の世界は薬剤師や一般のサラリーマンとは桁違いですね。
一方で、薬学部の場合は、年収1000万円こえる人はごく一部の大手製薬企業勤務者や薬局開設者のみです。
とはいえ、医師の追っている責任や就労環境を考慮すると妥当かもしれません。
前述のように、薬剤師の責任は、医師と比べて軽いものになります。
また、手術で患者の血液や内臓に触れたり、感染症リスクと常に隣り合わせの医師と違い、薬剤師は清潔な環境で仕事をしています。
昔と比べて待遇は良くなったといわれていますが、研修医時代の医師の忙しさはブラック企業を超えるでしょう。
結論としては、医学部と薬学部では、単純な年収面では医学部の方が稼げます。
ただし、忙しさや辛さを考慮した「コスパ」であれば、薬学部でもまー元はとれるのかな、といった具合ですね。
薬剤師・薬学部で学費が元取れるか気になってる人が考え
薬学部って医学部にコンプレックスを持ってるの? バカにされる?
薬学部への進路を迷っている人の中には「薬学部って医学部に行けずに妥協した人と思われますか?」とか「薬学部の学生は医学部の学生からバカにされるんですか」といった不安を持っていることがあります。
これに関しては、本人が気にしないのであればあまり心配しなくていいです。
医師や医学部の一部には非常のプライドが高く、医師以外の医療系職種の従事者を見下しているひともいますが、ごく少数です。
たとえ思っていても、態度や口に出してバカにしてくる人はいませんし、いたとしても相手にしなくていいでしょう。
とはいえ、医学部を目指していて薬学部に路線変更した人の中には、強い医学部へのコンプレックスを持っている場合があります。
こっちの方が問題です。
医学部コンプレックスをこじらせてしまった薬学部の学生や薬剤師と関わっていい事なんかありません。
同僚の薬剤師対して、上から目線、「俺はお前らとは違う」みたいなバカにした態度をとったりして、チームの中で孤立していきます。
「医学部崩れ」か?浪人・妥協の末に薬学部へ
こういった「医学部コンプレックスをこじらせた」人の頭の中は、「薬学部の学生=医学部に行けなかった医学部崩れ」という認識があるのです。
そのくせ、自分だけは「医学部崩れ」とは思っておらず、不運が重なって医学部に進学できなかったという思考をしています。
しかし実際に薬学部にいる人の大半は、いわゆる「医学部崩れ」ではなく、初めから薬学部を目指していた人達。
こういった「医学部コンプレックスをこじらせた」思考なんか受け入れられません。
薬学部は医学部のすべり止めの一つ
一部の「医学部コンプレックスをこじらせた」人や、プライドの高い医師がいるものの、基本的に薬学部に進学したことで、負い目を感じる必要もないし、バカにされるなんてことはありません。
たとえ医学部志望であって、妥協して薬学部に来たとしても大学受験の世界ではごくごく普通の事、受験戦略の一つです。
医学部受験をするなら、すべり止めとして薬学部を受験するのは当たり前といえば当たり前になっています。
薬学部から医学部に編入、卒業後に再受験という選択肢
薬学部から医学部へ、という流れは上述の薬学部仮面浪人のケースだけではありません。
具体的には、
- 薬学部に入学したものの、途中で医学部に「編入」する
- 卒業して薬剤師をやっていたものの、医学部再受験に挑戦する
といったパターン。
実際に医学部再受験や編入を受け入れている大学もいくつかあります。
他学部からもこのパターンで医学部に入学することは可能ですが、薬学部からの編入や薬剤師経験者だと多少有利な面や、やりやすい側面があります。
医学部ではなく薬学部への進学もいいよ
医学部か、薬学部かで迷った際、学費や学力は当然大事です。
しかし、将来的に携わる仕事や業務内容が医学部と薬学部では全く異なります。
このポイントを忘れてはいけません。
成績が良くて医学部を十分ねらえるのに医学部ではなく、薬学部へ進学するひともたくさんいますからね。
医学部よりも薬学部の方が仕事の選択肢は広い
医学部の場合、卒業したらほぼ確実に「医師」になります。
一方で薬学部の場合は、たとえ6年制で、薬剤師免許を取得しても「薬剤師」になるのは6割程度です。
残りは公務員や製薬企業で勤務しています。
創薬研究・新薬開発したければ医学部ではなく薬学部がメイン
医学部ではなくあえて薬学部に進学する人の動機で多いのは「将来、創薬研究・新薬開発に携わりたい」というものです。
薬学部では医学部ではあまり学ばない「化学」の勉強もたくさんしますので、創薬研究者を志すなら薬学部の方がいいのです。
ただし、一部の大学の薬学部(特に私立大学系)では、創薬研究者の育成というよりも、薬剤師養成所として薬剤師国家試験の勉強一辺倒になってしまっています。
創薬研究・新薬開発したければ医学部ではなく薬学部です。
ただし創薬研究者としての教育を受けられる国公立大学の薬学部など、比較的難易度の高い薬学部を目指しましょう。
医学部と薬学部はどっちがもてるか【余談】
余談ですが、「医学部と薬学部どっちがモテるかな?」なんて思っている人もいるでしょう。
結論としては、男子は医学部の方が圧倒的にモテます。
薬学部男子や薬剤師男性はあまりもてません。
医学部の場合、医師との結婚を狙う女性もたくさんいて「医学部!かっこいいー♡」と無条件で反応されたりしますが、薬学部はそんなことないです。
薬剤師男性は看護師にも相手にされません。
まー、あくまで、医学部や医師とくらべての話ですよ。
一方女性の場合、薬学部・薬剤師はモテモテです。
女性の場合は医学部だと、恋愛事情は若干厳しくなります。
自信が高スペックすぎて、「恋愛対象となる男性が限定的」になるからというのが主な要因です。
薬学部と医学部で迷う:抑えるべきポイント
ということで、薬学部か医学部かで迷っている人のためにそれぞれの違い書いてきました。
結論としては、医学部と薬学部にはかなり圧倒的なレベルの差があります。
特に大学受験の難易度、勉強の忙しさなどは、医学部・医師の方が「難関」です。
労力もお金も時間もかかってしまします。
収入は圧倒的に医学部・医師の方が高いのですが「コスパ」を考えると薬学部も悪くないかもしれません。
ただ、医学部と薬学部だと、似ている印象を持っている人もいますが将来携わる仕事や責任の重さが全く違うんですよね。
この点は注意。
特に、創薬研究や化学の勉強をしたければ薬学部に進学した方がよいでしょう。
まー、世間一般で言って、「薬学部と医学部どっちが勝ち組か?」と聞かれれば医学部ですけどね。
それでは。
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