薬学部大学院進学「意味あるの?」:就職先の選択肢が広がる!社会人課程という道も!【まるわかり記事】

薬学部大学院意味あるのか就職先がが増える社会人でもOK

薬学部を卒業後に薬剤師や、製薬関連の仕事に就くか、それとも「大学院」に進学するべきか。
少なくない数の薬学生達は、学年が上がると「大学院進学」という選択肢について考えるものです。

大学院と聞くとなんか過ごそうですし、賢そうですね。
でも、世間には「大学院卒」の人は世間では少数派ですし、なかなか情報も少ないですよね。

今回は、下記のポイントを中心に「薬学部卒で大学院に進学するメリット・デメリット、意味」について整理したまとめ記事となっています。

・薬学部で大学院に行った人の就職先ってどんなところ?

・薬学部卒で大学院に進学することの意味は?メリット・デメリットは何?

・ってか薬学部の大学院って何するところ?

・薬学部の大学院に行くなら国立大学の方がいいってきいたけど。
  
・そもそも薬学部の大学院の年数は?一体何年あるの?

大学院への進学を考えている薬学生の参考に慣れば幸いです。


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薬学部の大学院(修士課程・博士課程)は何年?:6年制から進学すると合計10年になるぞ!


薬学部の場合、大学院の年数と課程は、下記のいずれかになります。

・4年制薬学部の場合、2年間の修士課程とその後の3年間の博士課程。
・6年制薬学部の場合、4年間の博士課程。

6年制だと、学部時代から合わせて実に10年間もの高等教育を大学(大学院)で受けることになりますね!

高校卒業後に、現役で薬学部・薬科大に進学して、ストレートで修了した場合も28歳くらいになっている計算です。

実際は、大学受験で浪人したり、留年したり、学部卒業後に一旦社会に出たりするひともいますから、薬学部の博士課程を修了した時点で30歳を超えていることも多いです。

4年制の薬学部の場合は、2年間の修士課程で一旦修了となりますので、「学部+修士の合計6年間の高等教育」または「学部+修士+博士の合計9年間の高等教育」の2択に細分化されます。

薬学部って大学院行くメリットあるの?デメリットは?

薬学部の大学院って何するところ?:研究職または高度な薬剤師の教育


そもそも薬学部の大学院って何するところなの?といった点ですが、ざっくり言うと「薬学の研究者」あるいは「高度な薬剤師」を育成・教育することが薬学系大学院の存在意義です。

6年制薬学部卒業後に4年間博士課程で学ぶ場合は、

・高度な専門性を持った臨床薬剤師

・薬剤師免許を保有した薬学研究者

の2つのいずれかを目指すことになります。

4年制薬学部卒業後に大学院の修士課程・博士課程で学ぶ場合は、

・(薬剤師免許は持たない純粋な)薬学研究者

となるための教育を受けます。

実際の大学での活動内容のほとんどは、大学内のいずれかの分野の研究室に所属し、実験や学会発表などの研究者としての活動を集中的に行うことになります。

講義の時間も多少ありますが、学部時代のようにみっちりやるわけではありません。
大学での活動時間の5~10%程度になります。

6年制薬学部卒業後の4年間の博士課程については、一定期間の臨床実習が病院や薬局で行われることもあります。

4年制の薬学部の場合、この「研究者としての活動を集中的に行う」期間に早く突入できますし、大学院の期間も最大5年間と長くなります。

薬剤師免許はありませんが、この点は4年制薬学部の最大のメリットとなります。

薬学部4年制課程にメリットはある!薬剤師免許なくてもディスるな!



薬学部の大学院博士課程は社会人も多い


大学院、特に博士課程の学生は社会人としての身分を有しつつ在籍して、博士号の取得を目指す人も多いです。
具体的には、現役薬剤師や、製薬企業の研究職の従事者ですね。

博士課程は3年または4年という長い在籍期間が必要ですので、経済的・年齢的な理由でもあり、「博士号の取得はできれば社会に出てから」と希望する人が多いためです。

また、職場で博士課程の取得を奨励されたので、というケースもあります。

特に薬学部の場合、一旦薬剤師として社会に出たあとで、仕事を辞め、大学院に進学するパターンも多いですね。
薬剤師は一定期間ブランクがあっても復職しやすいからです。


薬学部の大学院進学の意味・メリットは「就職先の選択肢が広がる事」


一体なんのために薬学部の大学院に進学するの?という疑問が出てきます。

最大のメリット、大学院に進学する意味としては「就職先の選択肢が広がる事」です。
特に、将来製薬企業等での研究職に就きたいと考えているなら、大学院での教育は必須になります。

6年制薬学部の場合、学部生時代の6年間はほぼ薬剤師国家試験の対策に追われていて、研究者としての教育を受ける機会は限定的です。

どうしても大学院に進学せずに、一般企業の研究職への就職を、となると企業規模や分野の選択肢はせまくなってしまうのです。

製薬企業研究職は難易度・倍率高い!ジェネリックメーカーは穴場だ

特に、薬学部が6年制教育へ移行してからは、薬学部卒業後に、製薬企業研究職につくのは難しくなっています。 

薬学部卒で研究職に就くのがどんどん難しくなってきた歴史を整理した

大学院の博士課程(4年制の場合は修士課程および博士課程)を修了すれば、就職先の、企業規模や職種といった点で幅が広がることには間違いありません。


薬学部の大学院に薬剤師が進学してもメリットは大きい


将来、製薬系の薬学研究者になるなら、大学院に進学するメリット・意味は大きいです。
いっぽうで、薬剤師にとっても、薬学系の大学院で高等教育を受けることは有意義になります。

具体的には、下記のようなメリットがあります。

・薬剤師でありながら、研究にも関われて、単純に楽しい

・高度な専門性を持った薬剤師として将来のキャリアや視野が広がる

・薬学研究者や大学関係者との人脈が広がる

薬剤師が働きながら大学院のメリットを解説する

現在、医療技術・薬学研究は日々、進歩していて、高度な管理や使用方法がもとめられる革新的な医薬品も増えてきました。

薬剤師の医療現場での役割も大きくなっていかなければなりません。
(もし、それができなければ薬剤師は不要、淘汰されていくでしょう)

そのためにも、6年間の「薬剤師国家試験のため」の教育に加えて、より高度な薬学教育を経た薬剤師が一定数必要とされています。

薬学部の大学院進学:研究職なら国立、薬剤師なら出身大学がおすすめ


大学院の進学を決めたら、次に重要になるのは「どの大学院にするか?」です。

多くの学生は、自身が学部を卒業した大学の大学院に進学しますが、一方で必ずしも出身大学の大学院にしか入学できないかというとそうではありません。

たとえば、慶応大学の薬学部を卒業後、京都大学の大学院に進学したって良いんです。

個人的にはこの、大学院選びは重要。
特に将来、研究職になりたくて、大学院に進学する薬学生は「惰性」で学部時代の出身大学や、出身研究室に進学するべきではありません。

理由は大学や所属する研究室によって、アカデミアの世界で影響力や製薬企業等からの評価が異なるからです。

人生を預けるつもりで、慎重に選択しましょう。

薬学部の研究室の選び方について忠告しておく

ぶっちゃけ、地方の名もない新設大学の大学院で薬学博士を取得した超優秀な学生と、東大薬学部の大学院で博士課程を取得したポンコツ学生では、後者の方が圧倒的に評価されます。

だから、研究職志望ならば、有名大学の大学院、できれば国立大学で薬学博士を取得するほうがいでしょう。

研究職って実は薄給で、あまり恵まれていなかったりします。

研究職は年収低いぞ。お前らそれでもいいの?悲惨な結果が待っているかも

大手企業のポストでも見つけられれば別ですが、非常に狭き門です。
そのためにも、すこしでも有利になる大学の大学院に進学しなければなりません。

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一方で、薬剤師としての専門性を高めるために薬学部卒業後に大学院進学をするなら、「どの大学の大学院か」はあまり関係ありません。

なぜなら職業としての薬剤師の世界には学歴フィルターはほとんどないから。

薬学部学歴フィルターってどんくらいなん?

薬剤師に学歴コンプレックスはある?関係ない?解説



薬学部の大学院のデメリット:忙しい・学費と時間がかかる・挫折したら最悪


さて、薬学部卒業後の大学院進学についてはメリットばかりではありません。

まず、薬学部に限ったことではないですが大学院生の生活は忙しいです。
朝から夜遅くまで研究室で実験や文献調査し、週末も研究室のゼミや学会発表で大忙し。

自分の研究テーマだけではなく後輩の指導も任されます。

普通に学生として在籍するだけでも大変なので、社会人の身分を有したまま大学院に通うと、かなりの忙しさを覚悟しなければなりません。

それも、最低でも4年間です(6年制薬学部の場合)。

それに、学費と時間もかかります。

薬学系の大学院の学費は国公立で年間60万円ほど、私立大学では大学によりますが年間100万円弱くらいのところが多いですね。

決して安くはありません。

それに前述のように6年制薬学部の場合はプラス4年、4年制薬学部ならプラス2年または5年の大学院生期間が必要。

この時間を人生において長いと考えるか、短いと考えるかも重要なポイントです(普通に考えたら長い)。

そして最も、深刻なのが、大学院に進学したものの、途中で挫折してしまうパターン。
こうなってしまうと、費やした時間と労力・学費は戻ってこないし、周囲の人にも示しがつきません。

挫折の理由はいろいろありますが、下記のようなものは「あるある」です。

・忙しさに耐えられなくなった

・挑んでいた研究テーマで成果がでなかった(無理ゲーな研究テーマも世の中にはたくさんあります)

・所属していた研究室での人間関係構築に失敗した

これらの「デメリット」と「リスク」もよく考えて、覚悟のうえで薬学系大学院への進学を決めましょう。


薬学部からの大学院進学:おすすめなのはこんな人


以上、「薬学部卒で大学院に進学するメリット・デメリット、意味」について、当ブログ内の関連記事と会わせて紹介、まとめておきました。

参考になれば幸いです。

ざっくりと、薬学部卒で大学院への進学がおすすめな人としては、

・アカデミアや製薬企業の研究職に就きたい人

・薬剤師としての専門性を高めたい人

・大学院での(忙しい)研究生活に挑戦したい人

一方で、下のようなひとは大学院進学のハイリスク群ですので、進学を決メル前にもう一度よく考えてみましょう。

・「なんとなく」で薬学系大学院への進学を考えている

・研究そのものにとくに興味はない

・ごくごく普通の薬剤師になりたい

・研究室での人間関係構築に自信がない、コミュニケーション能力に不安がある

・まったりとした人生を送りたい

それでは。



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