こう言うと、必ず、「今から薬学部・薬剤師をめざすなんて後悔するぞやめとけ。」という発言をする人たちがいます。
彼らの主張は、以下のようなものです。
・薬学部にいって薬剤師になってもお金がかかるだけ、給料は安いし儲からない。
・薬剤師なんて近い将来なくなる、AIに奪われる仕事だ。
・薬剤師なんてはっきり言って医療の現場に必要ない、薬を棚からだしてるだけ。
・薬学部がたくさんあるんだから、薬剤師はもうすぐ飽和して就職難になる。
・薬剤師なんて近い将来なくなる、AIに奪われる仕事だ。
・薬剤師なんてはっきり言って医療の現場に必要ない、薬を棚からだしてるだけ。
・薬学部がたくさんあるんだから、薬剤師はもうすぐ飽和して就職難になる。
薬学部はお金もかかるし、せっかく勉強しても、薬剤師の仕事に将来がないというのです。
こう言った話を聞くと、薬学部へ進学しようとしている人や、現役薬剤師は心配になってしまいます。
果たして本当なのか?
当ブログ中でもこの件についていくつか記事を書いています。
今回は、薬学部・薬剤師なんかいらない、不要論、これから薬学部や薬剤師を目指すのなんか後悔するからやめておけという意見についてのまとめ記事です。
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薬学部・薬剤師をこれから目指すと後悔する、なんてことはないぞ【まず結論】
いきなり初めに結論を書いておくと、薬学部や薬剤師をこれから目指すとしても後悔するなんてことはありません。
たしかに、薬学部や薬剤師は将来性が無いとか、やめとけという人達は実際に多いです。
まーぶっちゃけ薬剤師という仕事の「うま味」が少なくなっていることも事実。
昔は、個人の調剤薬局でたくさん給料がもらえたり、供給が需要においついていなかったため、どこにいっても引っ張りだこ。
そんな昔の好待遇を期待していると「後悔する」のは間違いないですよ、そりゃ。
とはいえ、そんなかつての薬剤師の待遇と比較してもあまり意味貼りません。
多少、待遇が悪くなったとはいえ、薬学部ではない普通の理系学部を卒業した人と比べれば就職も有利だし、安定しています。
中小零細企業やブラック企業でサラリーマンやるより、薬剤師やってたほうがいいですよね。
薬剤師やめとけ、という人の主張に反論してみた
薬学部・薬剤師不要論。いらなくなる日が近いのか。
薬学部、薬剤師について一つ心配な話があります。
薬剤師の仕事そのものが不要で、将来なくなってしまうのではないかと、一部で言われています。
薬学部を目指す人のみならず、現役の薬学部の学生や、薬剤師にとっても心配な話ですよね。
実際、一般人から見たら、薬剤師は棚から薬を出して渡すだけの仕事と思われています。
本当は医薬品の適正仕様や、副作用の管理などのために一生懸命働いているのですが、外からその努力は見えません。
患者に服薬指導、医薬品の説明をしても「うざい」と思われてしまう始末。
薬剤師の説明がうざいと思われているぞ、薬剤師はもっと頑張れよ
近い将来、AIが発達してくれば、薬剤師という仕事はなくなってしまうなんて厳しい話もありますからね。
とはいえ、下記の記事でも書いていますが、いまのところ「薬剤師がいらなくなる」「薬剤師不要論」はあまり現実的ではありません。
というのも、薬剤師が現在になっている業務・役割自体は医療の場において必要だからです(目立たないのは仕方がないとして)。
薬剤師をなくすには、こららの役割を他の医療従事者やAIが担わなければなりません。
しかし現在のレベルのAIでそれは不可能です。
薬剤師がいらなくなるパターン3つと、それが「非現実的」である理由を整理した
もし、薬剤師の役割を医師や看護師が担おうとすれば、の医療は崩壊するでしょう。
ただでさえ、医師や看護師は不足していますからね。
あと、一応、薬学部が6年制になった背景としては、薬剤師の専門性を高めて医療へより貢献できる存在にするというのがありました。
うまく言っているかどうかは評価がわかれるところですが、少なくとも「薬剤師の役割は必要で、かつ高度なものであるべき」という方向は今後も変わりません。
薬学部6年制が失敗だとはどうしても言えない事情
薬学部は過剰。薬剤師は飽和するの?
「薬剤師の業界は供給過剰で、いずれ薬剤師は飽和する。」
こう言われています。
ただし、20年以上前から。
それにも関わらず、薬学部を卒業して薬剤師国家試験に合格した人の就職率はほぼ100%です。
ぶっちゃけ、薬剤師は飽和なんかしません。
私の学生時代も、いずれ薬剤師は飽和するからという理由で、何人もの同級生が製薬企業のMR(営業担当)になりました。
しかし、蓋をあけてみれば、大手製薬企業のMRの大リストラの波が2015年ころから急激に進んでいます。
薬剤師は20年後飽和って20年前に言われてたのに「MRいらない」が先だった件
また、2000年代はじめに、規制緩和によって多くの大学で薬学部の新設ラッシュが起きました。
これにより、薬学部の定員がぐんと増え、薬剤師の供給量が増加すると考えられましたが、実際はそれほど供給は増えていません。
理由は、薬学部への入学者は増えたものの、学生の質が確保できずに、大量の留年者を出す私立大学が出てきているからです。
また、6年制に移行したことで、優秀な学生(特に女子)の一部は同じ6年制の医学部や歯学部へ流れていくという現象も起きています。
薬学部の人気そのものが低下しているのです。
薬学部は不人気になっていくのだろうか...orz
薬学部定員割れ現象のメリットデメリットを整理した
必ずしも良いことではありませんが、将来的に競争力の低い大学が統廃合されたりするでしょう。
結果的に、薬剤師の供給量(=薬学部の卒業生)というのはそれほど増えたりしなかったですし、今後は緩やかに供給が減っていく可能性もあります。
薬学部行っても学費が高いだけで無駄?コスパ悪い?
薬学部は学費が高いし、いまでは6年間も大学に通う必要があります。
昔は4年制で薬剤師免許が取れて、給料がたくさんもらえたことを知っている人に言わせると、「薬学部に通うコスパがわ悪い」そうです。
とはいえ、「今から薬学部・薬剤師を目指すと後悔する」のは言い過ぎです。
確かにコスパが良い状態ではないですけどね。
私立大学の薬学部とかだと大学の学費は確かに高いです。
とはいえ薬学部卒業者の生涯年収に比べれば、決して元が取れない額ではありません。
薬学部・薬剤師のコスパ:薬剤師になりたい?薬学部の就職先と年収を整理した。
薬剤師・薬学部で学費が元取れるか気になってる人が考えるべきポイント
多少学費が高くても、薬剤師という国家資格を保有した人生を送ることができるのは大きいです。
薬学部の学生は、大半の大学生と違い「企業に就職活動をして内定が取れなかったら就職浪人してしまう」とか、「就職後に勤務先が倒産したら職を失う」といった不安をほとんど感じることなく生きていけるのです。
安心感と心の安定感のレベルが違いますよ、まじで。
薬学部・薬剤師をこれから目指すと後悔する?不要論、飽和論は本当か【まとめて解説】:最後に
以上、薬学部や薬剤師をこれから目指すと後悔するのか、やめといたほうがいいのか?といったことについてまとめました。
結論としては、今後も薬剤師や薬学部を目指しても全然大丈夫です。
確かに昔の薬剤師のイメージにあるような「うま味」は減っていますし、大学の学費や在学期間も増加しています。
とはいえ、未だに薬剤師の国家資格があれば就職先もあるし、ある程度の年収を安定して確保することができます。
幸い(?)なことに、新設の薬学部がたくさんできた割には、薬剤師の供給量もそれほど増えていません。
超高齢化社会である日本において、薬剤師のような医療系の職種のニーズはやはり高いですよ。
では。
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