薬剤師=薬学部卒の高学歴。
世間の一般的な認識では、薬剤師は高学歴エリートなんです。
一方で、この世間に認識に違和感を覚える薬剤師もいます。
いろいろな背景があって、学歴コンプレックスを感じているケースがあるのです。
世間の人は「薬剤師のような高学歴な人が学歴コンプレックスなんて感じるの?」って不思議に思うかもしれません。
逆に、薬剤師の中には、「薬剤師免許を持っていれば、どんな学歴であっても関係ない」という人もいます。
果たして薬剤師の世界で学歴コンプレックってあるんでしょうか?関係ないのでしょうか?
本記事では、薬剤師が感じる学歴コンプレックスの種類と背景について整理、解説していきます。
薬剤師は薬学部卒だから学歴は高いぞ
薬剤師の学歴は高いのか、低いのか?
まずその点について、はっきり述べておくと、「薬剤師の学歴は高い」です。
先進国である日本の大学進学率は、2009年に50%を超えました。
つまり、半分以上の日本人が「大卒」の時代ということです。
しかし、一方でまだ残りの半分近くはそうではないということです。
それに年配者の場合は大学進学率はずっと低かったはずですよね。
4年制大学を卒業しているだけでも比較的高学歴なはずです。
薬剤師だったら、6年制の薬学部を卒業していて、しかも薬剤師という国家資格まで取得しているんですから、かなりの「高学歴のエリート」となるはずです。
これは間違いなし。
しかし、薬剤師本人からすれば、「いやいや薬剤師は全然高学歴じゃない」とか「薬学部のレベルは大学によってピンキリだよ!」言いたくなります。
実はここに、薬剤師が感じる「学歴コンプレックス」が垣間見えますね。
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薬剤師の学歴コンプレッックスになる?:大学別ヒエラルキー
薬剤師になるには、日本国内の薬学部を卒業し、薬剤師国家試験に合格すればOKです。
例え東大薬学部卒だろうと、Fランクの地方私立薬科大卒でも同じ。
そして、就職時の採用においては、「薬剤師免許を有すること」が最も重視されます。
一般企業と異なり、強い学歴フィルターは存在しません。
有名大学や難関大学を出ているからといって、就職で有利ということはなく、学歴が関係ない世界だと言えます。
こんな状況ですから、学歴コンプレックスなんか感じないんじゃないかと思えてきます。
しかし、薬剤師の中でも緩やかですが、大学別ヒエラルキーに基づく学歴コンプレックスがあります。
薬剤師の場合、出身大学により緩やかに下記の3つのタイプに分けられます。
- 高学歴とされる大学出身薬剤師:超難関な国公立大学や私立大学の薬学部(例:東京大学、京都大学、慶應義塾大学)
- 普通程度の学歴とされる大学出身薬剤師:地方国公立大学や歴史のある有名私立大学(例:熊本大学、岐阜薬科大学、京都薬科大学)
- 低学歴とされる大学出身薬剤師:学費がバカ高い地方私立大学や新設で定員割れしているような私立大学薬学部(例:第一薬科大学、九州保険福祉大学、奥羽大学)
3.の薬剤師の中には、留年や国家試験浪人などを経験して、自信をもっておらず学歴コンプレックスを感じている人たちもいます。
また、意外と1.のカテゴリーのなかには、「本当は企業や公的研究機関で研究者になりたかったけれど就職先がみつからず、薬剤師になった」というパターンの薬剤師たちがいます。
超高学歴なのに、病院や町の調剤薬局で薬剤師をしていることに周囲も気を使うし、「逆学歴コンプレックス」を抱くこといなるひともいます。
2.の薬剤師たちが一番ボリュームとしては多く、いわゆる普通に薬剤師として活躍しています。
薬剤師の学歴コンプレッックスになる?:大学院卒の薬剤師
6年制教育の薬学部は、卒業後に就職するか大学院博士課程(4年)に進学するかの選択ができます。
昔は大学院進学=研究者という流れでしたが、近年では、高度な薬学の専門家として「博士課程を修了した薬剤師」のニーズも増えてきました。
大学病院の薬剤部で勤務して、将来キャリアアップを考えている場合、大学院に進学して博士号を取得しておいた方がいいでしょう。
現時点で大学院卒であるか、そうでないかは大きな違いではありません。
しかし過渡期といえる状況です。
博士号の有無が薬剤師キャリアを考えた時に学歴コンプレックスとなることがあります。
薬剤師の学歴コンプレッックスになる?:出身研究室
薬学部の6年間の課程のなかでは、各研究室に所属して、基礎的な研究活動を行う基礎実習がふくまれます。
それぞれ、特定の分野の教授の下で卒業研究に励むわけですが、「どの分野の研究室の出身か」というのは、のちのと学歴コンプレックスになるのでしょうか。
研究室に所属すると、その教授やその分野や学会の専門性との結びつきができるわけですが、薬剤師の場合、じつはこれは関係ありません。
医師の世界と異なり、大学の薬学部の教授や学会有力者は、病院の薬剤部への影響力はほとんどないのが普通です。
そのため、大学時代にどこの研究室の出身であったか?どの教授から指導を受けたか?は学歴コンプレックスにはつながらないと考えていいでしょう。
薬剤師の学歴コンプレッックスになる?:「医学部に行きたかった」は要注意
現在薬剤師をしている、あるいは薬学生の中には、「かつて医師を志し医学部を目指したけれど断念した」人たちが一定数います。
大部分は、薬学部での勉強や薬剤師としての役割に気持ちを切り替えていますが、中には心の奥底で「医師・医学部」を諦めたことがコンプレックスとなって残っている場合があります。
気持ちを切り替えている薬剤師や、医学部再受験を目指して頑張っている人は問題ないのですが、あまりに強い「医師・医学部」コンプレックスを抱えている場合は要注意です。
周りの薬剤師や、医療現場のスタッフに対する上から目線、バカにした態度などが目立ち、チームの中でうまく活躍できません。
薬剤師が感じる「職歴」コンプレッックスってあるのか?
外からみていると薬剤師はみんな高学歴で、同じようなもんだと思われていますが、もっと繊細です。
じつは、薬剤師の世界では学歴だけではなく、「職歴」も大事です。
人によっては、ここにコンプレックスを抱くこともあるでしょう。
比較的若手の薬剤師や、薬学生の頭のなかでは、薬剤師としての勉強・経験を積むためには、「どこで薬剤師」をやるかが重要だと認識されています。
基本的には、大学病院>中規模病院>小規模病院=大手薬局チェーン>個人薬局の順で、薬剤師としての有利な職歴が詰めるということです。
大学病院では多くの症例に出会えますし、勉強会や学会参加の機会も多いからです。
真面目な学生は、多少給料が安かったり、無給の研修生としての立場であってもいいので大学病院で勤務したいと望むことがあります。
大学病院や中規模病院での勤務を望んだものの、それが叶わなければ薬剤師としての職歴にコンプレックスを感じることになってしまうことがあります。
薬剤師に学歴コンプレックスはある?関係ない?解説:まとめ
以上、薬剤師と学歴コンプレックスについて整理しました。
ざくっとまとめますと、こんな感じ↓。
- 薬剤師=薬学部卒は世間一般では間違いなく高学歴
- 高学歴の薬剤師の中でも、大学別のヒエラルキーで緩やかな学歴コンプレックを感じることはある
- 大学院卒(博士号保有)の薬剤師のニーズの高まりで、大学院卒かどうかが学歴コンプレックスにつながることはありうる
- 医師の世界と異なり、薬剤師の世界では出身研究室や関連のある教授による影響はなく、学歴コンプレックスにはなりえない
- 薬剤師で「医師になり他科他t、医学部に行きたかった」をこじられている場合の学歴コンプレックスが一番痛い
- 薬剤師としての職歴を重視するタイプは、職歴がコンプレックスとなることもある。
では。
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