薬局で働いているのは薬剤師だけではありません。
薬剤師の業務を補助する、調剤薬局事務という立場の人もいます。
この調剤薬局事務のなかには薬剤師への不満を持っているひとが一定数います。
薬剤師のことが嫌い、尊敬できない、憎い…などなど。
もちろん、薬剤師と調剤薬局事務の人間関係が良好で雰囲気の良い調剤薬局もありますよ。
でも、そうでない薬局も少なくありません。
この背景には、一般的には薬剤師と調剤薬局事務の待遇は大きく異なる一方で、やっている仕事に大差が無いように見えるからです。
本記事では、薬剤師のことが嫌いな調剤薬局事務が抱える不満についてまとめています。
薬剤師が嫌い!調剤薬局事務の不満の原因は「待遇」か
どんな職場でもあると思いますが、従業員間の待遇に格差があれば不満の原因になるものです。
薬剤師が嫌いだと調剤薬局事務が不満に感じるのは待遇、給与格差が一因となっています。
というのも、調剤薬局事務員の給与はそれほど高くありません。
薬局の規模にもよりますが年収ベースで200から300万円程度です。
一方、ほぼ同じ勤務時間の薬剤師は年収500から700万円です。
たとえ10年の経験があっても調剤薬局事務の給与は、大学卒業1年目の新人薬剤師にも負けて仕舞うんです。
狭い薬局の中でのこんな大きな格差がある中で、人間関係を良好にたもつのは難しいでしょうね。
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調剤薬局事務の仕事は薬剤師とは違うの?
調剤薬局事務からしたら、ほとんど同じような仕事をしているのになぜこうも待遇が違うのか納得行きませんよね。
何なら、自分達の方が雑用なんかもこなして忙しくしています。
それなのに若い薬剤師に指示され、アゴで使われ、ミスしたらイチイチ注意されるんです。
そりゃ薬剤師のことを嫌いになるでしょうよ。
ただしここで明確にしておかないといけませんが、薬剤師と調剤薬局事務ではその役割、責任が全く異なります。
薬剤師は自分が処方する医薬品によってもたらされる結果に責任を負っています。
もし調剤ミスが原因で患者の健康被害が出てしまえば、最悪、薬剤師免許の剥奪や刑事責任を負うのです。
また、担当した処方箋に疑義があれば医師に照会を行う義務もあります。
一方で、調剤薬局事務は患者に対してはなんの責任もないのです。
薬剤師から業務上指示された内容の遂行責任があるだけです。
極端な話、調剤薬局事務がミスして、患者が亡くなったとしても責任は薬剤師にあるんです。
同じ仕事をしているように見えても持つべき緊張感のレベルが全く異なります(緊張感のない薬剤士が時々いますがそれはおいといて)
こういった「責任」の違いが給与に反映されていることを理解したら、気が楽になります。
薬剤師の側はどう思っているのでしょう。
薬剤師は調剤薬局事務が嫌い、見下しているの?
薬剤師の側はどう思っているのでしょう。
薬剤師も調剤薬局事務のことが嫌いだったりするんでしょうか。
基本的には薬剤師側からしたら、(調剤薬局事務と比べて)待遇にも、仕事内容にも不満はありません。
特に理由がなければ調剤薬局事務を嫌いになる理由もないでしょう。
新卒の新人薬剤師なんかは低姿勢で、むしろ、薬局の事を把握している調剤薬局事務の方にイロイロ聞いてくるはずです。
ただ時々、薬剤師から見下された態度を取られたと、不満に感じる調剤薬局事務の方もいますね。
残念ながら、本当に薬剤師が調剤薬局事務を見下している事例もあるのでしょう。
まー薬剤師にしてみれば、自分たちは6年間も大学で勉強して、国家資格も持っているわけです。
それなりのプライドがあるんですよね。
このタイプの薬剤師に、生意気だとか、反抗的だと取られかねない態度を示したら、嫌われてしまうかもしれません。
気をつけましょう。
薬局経営者は薬剤師の味方?調剤薬局事務は不利
薬剤師と調剤薬局事務でなにかうまく行かない事があった時、なんとなく薬局経営者も薬剤師側に立って味方しているように感じる事があると思います。
これは薬局経営者=薬剤師だからですが、それだけではありません。
多くの場合、薬剤師は正社員、調剤薬局事務はパートの非正規社員ですよね。
どうしても正社員である薬剤師の方が、雇入れも、教育も、退職させるにもコストがかかるため、ビジネスとして「大きな投資」なのです。
それに経営者からしたら、給料の高い薬剤師は、「薬剤師しか出来ない仕事」だけやってもらわないとコストパフォーマンスが悪いんですよね。
雑用が忙しいからもっと薬剤師雇って、なんて言われたらたまったもんじゃありません。
勤続年数の長いベテラン調剤薬局事務なら話は変わってきますが、そうでなければ、薬剤師と調剤薬局事務がもめると、経営者は薬剤師よりの態度を示すでしょう。
調剤薬局事務だってプライドがある
薬剤師と調剤薬局事務が嫌い合っていると患者に迷惑です
そりゃー薬剤師の方が、待遇も、資格も学歴も上で、経営者も味方するなんて調剤薬局事務にとっては辛い状況です。
でも、調剤薬局事務だってそれなりの専門的な仕事です。
レセコン(レセプトコンピューター)の入力や、調剤報酬の計算だって出来ます。
人によってはユーキャン等の通信講座で検定に受かってたりします。
調剤薬局事務だってプライドがあるし、誰にでもできる仕事をしているわけではありません。
自分で自分をちゃんと評価しましょう。
だから多少、薬剤師に見下されたり、嫌な態度を取られても気にしない事です。
薬剤師が嫌い!なんていっても始まりません。
結局、薬剤師と調剤薬局事務が嫌い合ってたら、薬局の雰囲気も悪くなるし、患者にも伝わります。
その結果、重大なミスでも起きれば、一番困るのは患者さんです。
「嫌い」な薬剤師も困るでしょうが、患者が受ける損害にくらべてたら大したダメージはないです。
「嫌い」な薬剤師も困るでしょうが、患者が受ける損害にくらべてたら大したダメージはないです。
薬局従業員同士のいがみ合いに無関係な人を巻き込むべきではありません。
薬剤師を嫌い?調剤薬局事務が抱える人間関係の不満:まとめ
以上をまとめます。
- 調剤薬局事務で薬剤師が嫌い、不満を持っているひとが一定数いる
- 調剤薬局と薬剤師では待遇、報酬が大きく異なるためこれが不満の一員
- 調剤薬局と薬剤師では仕事の責任の重さが全然違うことろ理解しよう
- 薬剤師としては調剤薬局事務を嫌う理由は特にないが、見下してくるひとはいる
- 経営者が薬剤師側、経営者視点でものを考えるため、調剤薬局事務vs薬剤師の構図は不利
- 調剤薬局事務だって、世間の感覚で見たら専門性の高い仕事だからプライドは持っていい
- 調剤薬局事務と薬剤師が嫌い合っていると患者が迷惑するからやめてね
調剤薬局事務側も、薬剤師側も上記のことをよく理解して、信頼関係を築けるといいですね。
では。
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