医学部は大人気です。
人気があるので医学部志望の優秀な学生が殺到します。
だから毎年どこの大学でも医学部は高倍率、最高レベルの難易度になります。
医学部志望者専門の学習塾や予備校も人気がありますね。
医師、医者は小学生がなりたい職業ランキングや親が子供に就いてほしいランキングでは必ず上位入ってきます。
医師、医者になれば勝ち組の人生がまっていますからね。
経済的に安定した、豊かな生活をおくりたければ医学部の一択でしょう。
そんな医学部人気、医師人気は今後どうなって行くのでしょうか。
今後も医学部人気は続くのか、それともこの傾向が変わって行くのか?
本記事では、医学部人気の今後について考察していきます。
医学部人気は右肩上がりで上昇
ここ数十年の長いスパンで見ると医学部人気は右肩上がりで上昇しています。
医学部に限ったことではありませんが、日本経済ぼ成長び伴い大学進学率は1960年代の約10%から2010年代後半には60%ほどに上昇しています。
医学部だけを見てみると1990年代後半に9万人であったのが、2010年代後半は約13万人と急増しているのです。
2018年の入試状況を見ると国公立大学医学部医学科の倍率は3から5倍、私立大学医学では10倍を超えています。
近年では少子化や大学の乱立により定員割れや、経営不振に陥る大学がある一方で、医学部だけは高倍率、大人気なのです。
医学部が大人気な理由
医学部がこれほど高い人気を誇るのには理由があります。
一つの理由は単純に医師という仕事の魅力です。
医師は社会的にも認められ、高収入の安定した職業ですよね。
誰だって、医師になれるもんならなりたいでしょう。
特に1990年代以降、日本経済の低成長は民間企業の不安定さ不況の影響で医療関係の職種に人気が集まっているのです。
同時に医師以外の医療従事者の魅力低下も要因です。
かつては医療に関わる仕事の報酬や労働条件、待遇は、一定のレベルで守られていました。
医学部やめとけと言う暴言。医者位しか食えない時代が来そうなんだが?
しかし日本社会の高齢化と社会保障費増大に伴い、政府は制度改革を推進せざるを得ません。
これから看護師や薬剤師といった医療従事者の報酬や待遇、働き方にもメスが入っていきます。
ただし、医療従事者の最上位に位置する「医師」についての地位た待遇はまだしばらく守られそうです。
やはり医師会の力は絶大で政府への影響力が強いのです。
その結果医療従事者のなかでも、医師、医学部の人気が相対的に高くなる構図が出来上がります。
あとは、少子化による影響です。
少子化が進むと、大学進学者が減り、倍率は下がりそうなものです。
でも一方で親は、少ない数の子供に期待と、資金を集中的に投入します。
小さいころから学習塾に通い、受験対策をした結果、投資した教育資金を回収するために医師を目指す、という構図が出来上がります。
両親が高い教育を受けていればいるほど、この傾向が見られます。
医学部は人気、ただし一部は「数値上」のもの?
医学部受験をするとどこも高倍率です。
ただし、とくに私立大学の医学部で顕著ですが、これは一部はあくまで数値上のものです。
というのも、医学部人気が高まり、難易度、倍率が高くなればなるほど、一人の志願者が受験する大学は増加します。
国公立と異なり私立医学部は併願がいくつでも可能ですので、滑り止め、数撃ちゃ当たるとでもいいましょうか。
そのため医学部が人気になればなるほど相乗的に数値上の医学部人気、倍率が高まっていきますね。
医学部の倍率が高いけれど、単に一人あたりの学生が多くの大学を受験しているだけという部分もあります。
医学部人気と、高難易度であることに変わりはありませんが。
医学部が人気過ぎて海外で医師免許を取得する猛者も
最近では、日本の医学部の人気と倍率が高くなりすぎて、受験競争が激化しています。
そんな背景もあって、海外大学の医学部で医師免許を取得する猛者も現れています。
ハンガリーにわたり、現地およびEU圏内で通用する医師免許を取得すれば、帰国後に日本の医師国家試験を受験する方法があるそうです。
今後も医学部人気は続くのか?
- 医師という仕事が魅力であり続けるかどうか。
- 医学部受験の難易度が「許容可能な範囲」であるかどうか。
- 医師以外の職業の魅力があるかどうか。
といたったポイントがキーになってきます。
医師という仕事は今後も魅力的か?
医師の仕事の魅力は、高い社会的地位、報酬の2つです。
このうち社会的地位は、今後も高いままでしょう。
世間の尊敬を集める仕事です。
しかし報酬については今後下がっていくかもしれません。
少子高齢化によって、医療制度の改革がまったなしで進んでいます。
必ず近い将来、医師の待遇、診療報酬について見直しが入ることは避けられません。
徐々に報酬面での医師の仕事の魅力は下がっていくでしょう。
そうなれば、医学部の人気にブレーキがかかります。
医学部受験の難易度が「許容可能な範囲」であるかどうか
人気があれば、それだけ受験の難易度・競争が激しくなります。
しかし、医学部が今後さらに難しくなると、一部の学生が敬遠して、人気にブレーキがかかるでしょう。
膨大な教育資金と、時間をかけて投資したのに、勝ち目がないのでああれば意味がありませんからね。
今後のの医学部受験の競争はどの程度か?ということです。
絶対的な「医学部志願者数」については今後はゆるやいかに減少していくことでしょう。
若者人口が減少するからです。
(ただし、医学部以外、特に文系Fランク大学の志願者の方が先に減少します)
ところが、医学部の倍率がすぐに下がることはありません。
じつは、今後の医師の予測需要数を考慮して、医学部志願者を受け入れるほうの大学医学部の総定員が2022年以降削減される方向で議論が進んでいるのです。
医学部総定員は1960年頃に3000人弱、2018年には9500人程に増加し、人気にこたえてきましたが、今後減少していくという流れです。
そのため、医学部受験の難易度、競争は長期的には減っていくかもしれまえんが、短期的にはそれほど変わらないでしょうね。
医師以外の職業の魅力は?
医学部が人気なのは、そもそも医師という職業が人気だからです。
医師以外に人気がある職業があれば、そちらに一定数が流れていくはずです。
実際、現在の医師、医学部人気は1990年代以降の日本経済の低迷によって、医師以外の職業の魅力が低下したことが一因となっています。
日本経済が今後成長をとりもどし、「医師よりも魅力的で人気のある仕事が生まれてくるか?」がポイントになります。
残念ながら、いまのところ日本経済が急成長することは考えにくいです。
人口減、高齢化によって、市場規模の縮小と労働力不足の問題を抱える日本は、今後慢性的な経済低成長時代をむかえます。
おそらく、医師をはじめとした医療従事職の人気は今後も高いままでしょう。
医学部人気はいつまで続く?今後はどうなる?大予想:まとめ
医学部人気に現在の状況と、今後について述べてきました。
まとめると、
- 現在の医学部人気は1990年代と比べて明らかに高まっている
- 医師という仕事の魅力が医学部人気につながっている
- 医師以外の医療従事者については魅力が相対的にさがっているのも一因
- 医学部人気を示す、受験倍率の高止まりは私立大学の受験システムによるものだが、それでも高い
- 海外大学の医学部に進学する猛者もいる
- 今後も医学部人気は続くと予想されるが、医師という職業の魅力や医学部受験の激化によって影響をうける
医師、医学部志望者にとっては厳しい戦いですね。
では。
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