昔は看護系短期大学や看護専門学校を卒業して看護師になるのが主流でしたが、近年では4年制の大学卒の看護師も増えてきました。
4年制の大学を卒業した場合「大卒=学士(看護学)」の資格が取得できるため、
- 看護師以外の仕事をしたいと考えたときに有利である
- 学士であることが認定看護師や専門看護師資格の取得の条件
- 大学院の修士課程に進学することができる
といったメリットがあります。
同じ医療従事者である、医師や薬剤師については大学院卒の割合も多いようですが、大学院卒の看護師って、あまりピンときませんし、見たことがありません。
薬学部って大学院行くメリットあるの?デメリットは?
うーん、看護師が、大学院に進学した場合、どういった専門性が取得できるのか、どういったメリットがあるのか、費用はどれくらいかかるのか?など疑問がいっぱいです。
本記事では、それらの点について整理、まとめていきます。
看護師が大学院にいくと何を学べるの?
大学や看護系の専門学校では「看護師」になるために、授業や実習をうけて看護師国家試験の勉強をしていたはずです。
一方、大学院では「研究」をすることになり、大学までに受けた教育スタイルとは大きく異なります。
大学院の研究室に所属し、教授の指導の下で、(研究分野にもよりますが)実験室での実験や、臨床での症例を集めて学会発表、論文執筆を行うことになります。
学問としての「看護学」を深めていくわけです。
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看護師系大学院の学費
たとえ看護師免許を保有していても、大学院で学生として学ぶことになります。
そのため、大学時代とい同じように学費が必要です。
看護系大学院の場合、修士課程で2年間、博士課程で3年間です。
この間の学費はいくらかかるでしょう。
2年間の修士課程の場合を想定してみましょう。
まず国立大学の大学院の場合、学費は大学(学部)時代と同じ、全学部共通です。
授業料は年間50~60万円、入学金が30万円ほど必要です、2年間合計で150万円程度ですね。
150万円か~、と感じるかもしれませんが、すでに看護師免許を取得していれば修了後に職にあぶれることもありませんし、看護師の年収であればたとえ奨学金を借りていても問題なく返済できるレベルです。
私立大学の場合は、もう少し高額で授業料は年間100万円前後になります。
入学金と合わせて200~300万円ほどみつもっておきましょう。
思ったほど高額ではありませんが、もしこの費用が気になる場合は、たとえ私立大学出身であっても大学院からは国立大学を、という選択肢も考えてみるといいですね。
増えている看護師系大学院
患者や看護師以外の医療系資格保有者から見たら、「看護師」と「研究」ってあまりイメージにありません。
看護師の大学って大学院ってあったの?って思う人もいるでしょうね。
実際、そのイメージは間違っておらず、20年ほど前までは、看護師看護系)の大学院を設置している大学は10校もありませんでした。
しかし、それ以降年々増加傾向にあり、2019年現在、国立大学、私立大学で170校以上の大学で、看護師(看護系)の大学院を設置しており、大学院の定員は、修士と博士を含めて3000人を超えています。
大学院卒の看護師は確実に増えてきています。
看護師が大学院に進学してメリットはあるのか?
看護師に限ったことではありませんが大学院に進学するってどれくらいメリットがあるの?という疑問がでてきます。
勉強して、専門性を高められるよ、と言われてもなんとなくボンヤリしています。
大学院は修士課程であれば2年間、時間と学費をかけることになるため、社会的にも個人としてもなにか具体的なメリットが欲しいものです。
看護師大学院進学のメリット:社会的な需要
ここ20年ほどで、急激に看護師系の大学院が増えた背景として「社会的な需要の高まり」というのがあります。
医療の進歩にともない、医療行為の高度化が進んでいます。
その結果、高度な医療機器や、取り扱いの難しい医薬品が増えているのです。
これらの取り扱いに責任があるのは、医師や薬剤師ですが、実際は看護師もある程度の知識を有していることが期待されているということです。
また、高齢化に伴い、癌や脳疾患などの重篤かつ複雑な疾患を患う患者も増えてくることが予想されています。
そのため、社会的には高度な専門教育、学問的知識を有した看護師の割合を増やし、看護師全体の医療や看護学に対する専門性の底上げをしたい、ということです。
これが社会的、患者にとってもメリットということになりますね。
看護師大学院進学のメリット:大学側の事情
社会的な需要の高まりに応じて、どんどん大学院を設置した大学側には別の事情もあります。
実は、日本の多くの大学では、社会の少子化にともない、今後学生を確保できるかどうか?が死活問題となっているのです。
大学院を設置して、学生が進学すればプラス2年間、学生を大学に在籍させることができますし、大学院を設置してい大学のほうが、学生からは魅力的に見える可能性も高いのです。
学生としても選択肢が増えるのはいいことですが、学生集めのためだけの中身の伴わない大学院や研究室をうっかり選んでしまわないように、ある程度「目利き」が必要になりますね。
大学院進学のメリット:個人にメリットはあるのか
一番気になるのは、大学院に進学して、看護師としての個人にメリットがあるのかどうか、ですよね。大学院修士の場合は2年分の時間と学費を費やすわけですし、勉強、研究に労力が必要です。
まず、金銭的なメリッットについて。
大学院の修士課程を修了して看護師になった場合に給料が大幅に上がる、ということはまずありません。
新卒であれば、2歳年下の大卒と比較して5000円~2万円くらい基本給が高く設定されるようですが、これは2年分の年齢差の要因も含まれています。
修士課程卒の新卒と、大卒3年目の看護師で、ほぼ同じか少しだけ給与が高いかな?といった具合です。
看護師が大学院に進学しても、あまり直接的な金銭メリットはないと思っておいたほうがいいでしょう。
ただし、大学院を卒業して修士号を持っている看護師のほうが、将来的に看護部長などの管理職ポストにつける可能性が高まります。
そうなれば長期的には給料も上昇しますし、ある程度の金銭的メリットがあります。
もう一つは、学問的好奇心を満たせるメリットです。
臨床現場での活躍を志し看護師を目指したものの、勉強しているうちに研究、学問的な方向に興味がでてくることはよくあることです。
そのような場合、無理に焦って看護師として働かず、プラス2年間勉強をしてもいいと思います。
いったん看護師になると、忙しい日々が待っています。
もっと学問をやりたかった、とモヤモヤした気持ちで看護師の仕事をしたり、一度社会に出たあと、大学院に戻るというのも容易ではありません。
単純に、もうすこし勉強したい、、、と感じるようであれば、そのまま大学院に進んだほうがメリットはあります。
大学院に進学したほうがメリットがある看護師
大学院卒業の看護師のメリットについて、ある程度、社会的、個人的に期待できる面があるようです。
ただし、現時点では、就職後に得られる恩恵は、医学部や薬学部出身者ほどはありません。
まー、2年間だけだれあそれほど費用も掛かりませんし、他の学部のように大学院をでたものの仕事がない、というリスクも低いため、「もう少し勉強したいから…」くらいの気持ちで進学しても良さそうですね。
一方で、臨床が好きで、現場で患者に向き合っているほうが性にあっている、一日も早く現場に出て活躍したい!という看護師は大学院に進学しなくてもいいと思います。
また、大学院を出た方が給料が(すごく)上がるかも、と期待して大学院にいっても期待外れの結果になります。
大学院で修士を取ることで、現場で活用できるスキルが身につくという意見もありますが、そういうケースはあまり多くはないのが現状です。
では。
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