看護師になるには看護師国家試験に合格し、「看護師免許」を取得する必要があります。
ただし、看護師国家試験はだれでも受験できるものではありません。
所定の条件を満たした4年制大学(看護大学や大学の看護学部)、あるいは3年間の専門学校(看護師学校)を卒業した者(卒業見込み含む)が国家試験の受験資格を与えられます。
大学の場合は4年、専門学校の場合は3年で看護師になることができるということです。
そこで、看護師になりたいと考える高校生が疑問に思う、迷うことが出てきます。
「看護師になるには大学と専門学校、どっちがいいの?」
本記事では、大学卒と専門学校卒の看護師どっちがいいのか、について、立場、給与、学費、難易度について整理、解説しています。
看護師を目指す、高校生、中学生またはその御家族の参考になれば幸いです。
看護師になりたい
看護師になりたい人といえば、「人の役に立ちたい」「医療にかかわる仕事をしたい」「他人の世話をするのが好き」なんて考えているひとでしょうか。
ただ親に勧められて、とか「安定した仕事を得たい」という人もいるでしょう。
2014年の調査によると、日本で就業している看護師は100万人以上で、今後、社会の高齢化に伴い、看護師の需要はますます高まっていくことが予想されています。
需要が見込まれることで、魅力的な仕事であることは確かですね。
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看護師国家試験は難しいのか
看護師になるには国家試験に合格して看護師免許を取得する必要があります。
看護師の国家試験は年に1度行われますが、毎年、新卒での合格率が95%前後、既卒で90%前後となっています。
大抵は1発合格、1年目に不合格でも2年目で99%合格するという感じですね。
合格率だけをみると、看護師になるのが簡単と思うかもしれませんが、そうではありません。
看護師の国家試験は誰でも受験できるわけではないのです。
所定の条件を満たした看護師教育を修了した者(修了見込み含む)であることが、受験のための必須条件なのです。
専門的な勉強をした人が受験して、90%以上の合格率になる、ということです。
普通の人が看護師の国家試験を受けたところで合格できないでしょう。
看護師の国家試験は、十分、難しいです。
看護師徹底比較:大学 vs 専門
さて、看護師になるため(看護師国家試験の受験資格を得るため)にはいくつか方法があります。
一つは、4年制看護大学や大学の看護学部を卒業すること。
もう一つは、3年間の看護師専門学校を卒業することです。
以前は看護師専門学校を卒業して、看護師となるのが主流でした。
しかし、4年制の看護系大学、看護学部が年々増加し、平成3年に定員558人であったものが平成29年には2万人をこえる定員となっています(平成30年度 一般社団法人 日本看護系大学協議会定時総会「看護系大学の現状と課題」より)。
平成29年の看護師国家試験の合格者数の約35%が大卒となっています。
では、これから看護師になるには、「大学」と「専門学校」どちらがいいのでしょうか?
整理していきます。
看護系大学、看護学部が増えた背景
まず、なぜ4年制の看護系大学、看護学部を設置する大学が増えたかを知っておきましょう。理由は3つあります。
1つは、今後の高齢化社会に伴う看護師の需要拡大に備えて、看護師養成が必要だったからです。
実際平成3年から平成29年で、看護師養成学校(大学、専門)の全入学定員は約2倍になっています。
2つめの理由は、医療の高度化にあわせて、より専門性の高い看護師のニーズがあったからです。
大卒、あるいは将来は大学院卒の看護師といったより高等な教育を受けた看護師の需要があるということです。
3つめの理由は大学の事情です。
多くの大学は、今後の少子化にそなえて、「いかに学生を確保するか」が重要と認識しています。
看護学部や薬学部といった医療系の学部は人気が高く、最低限の学生を確保するのにうってつけなのです。
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看護師になった時の年齢は
それでは、看護師になるには大学、専門学校どちらがいいのでしょうか。4年制大学出身の看護師は高校卒業後、4年間大学に通うため卒業時、最短で22歳で看護師となります。
一方で、専門学校であれば高校卒業後、3年間です。
最短で21歳で看護師になるのです。
大学と専門学校どちらがいいか?と考えると、専門学校のほうが1年早く看護師になれますね。
少しでも早く看護師として活躍したい、早く働きたいと思うのであれば(たった1年ですが)専門学校のほうが年齢的にメリットがあります。
看護師になるための費用、学費
大学と専門学校の場合の、費用(おもに学費)はどうでしょか。4年制大学だと、国公立大学では、他学部と同様の学費(4年間で約250~300万円)が必要です。
私立だと、少し高額で平均で4年間で600~700万円になります。
一方看護師の専門学校の場合は、3年間のトータル100~300万円ほどに収まるところが多いです。
大学の場合は「大卒」の学歴が得られるものの、純粋に看護師になるだけならば専門学校のほうが費用が安くて済みます。
入試の難易度、偏差値は
あまり高校時代の成績が良くない、という場合、入学難易度は気になるポイントです。看護系の大学の場合、偏差値は30台から、60台まで幅広いです。
私立の方が難易度は低い傾向があります。
一方専門学校は、大学よりも難易度が低い、というよりも試験問題自体が簡単です。
大学の入試のように難しい問題はでませんし、対象範囲も狭いです。
ただし、地域によっては倍率が高いことがありますので、高校の基礎的な問題をしっかり解けるようにはしておく必要があります。
難易度については大学と専門で単純比較はできませんが、専門学校のほうが必要とされる学力は少なくてOKです。
看護師になった後の地位や立場は
実際に看護師になった後に、大卒と専門卒の間で大きな待遇や扱いの差はありません。どちらも、同じ国家試験に合格した看護師だからです。
専門学校卒の場合、年齢が若いので、新卒時の給与が1万円ほど少ない場合もありますが、大した差ではありません。
ただし、前述のように、今後より高度な専門教育を受けた看護師が優遇される可能性があります。
大卒であれば、それから大学院でさらに学ぶという選択肢もありますが、専門学校卒の場合、「大卒」ではないので大学院に入学できません。
将来にわたって看護師として働き、かつ昇進などのキャリアプランを描いているのであれば4年制大学の看護学部、看護大学で学んでおくべきです。
勉強が忙しいのは専門学校
大学とくらべて専門学校の場合は、在学中の勉強は圧倒的に忙しいです。大学では一般教養などの授業もあるのですが、それでも4年間あるので余裕をもって学生生活を送ることができます。
アルバイトやサークル活動もできますし、助産師などの資格追加で取得できる場合もあります。
専門学校の場合、看護師として必要な知識を3年間で詰め込みますので、忙しく、あっという間に時間が過ぎていきます。
看護師になるには:大学?専門?どっちが得か。まとめ
まとめると、専門学校のほうが学費、時間を節約して看護師になることができます。
また、高校時代の成績が悪くて、大学が難しい場合も専門学校ならチャンスが大いにあります。
もしも、家庭が裕福でない場合は、専門学校のほうを断然おすすめします。
1年早く独立、収入を得られるのは大きいと思います。
3年しかない分忙しいですが、だらだらと勉強する余裕がないので、人によっては性に合うでしょう。
一方、どうしても「大卒」にこだわりたい、4年制大学を出て、看護師以外の職種も選択肢に入れておきたいという場合は、大学に進む方が無難ですね。
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