薬剤師国家試験:宅浪する浪人生が気を付けるポイントを書いておく


毎年に薬剤師国家試験と合格発表が3月に実施されます。

合格率は例年70~80%前後で推移しており、大半の薬学生が無事に薬剤師となります。

一方で残りの20~30%ほどは、不合格となり、薬剤師国家試験の浪人生としての新年度を迎えます。

薬剤師の国家試験は難しい?難易度は?落ち続けるとどうなる?

大学受験の浪人生ならイメージしやすいですよね。

予備校通って、1年勉強して。

薬剤師国家試験の浪人生も同じですが、すこし事情が異なります。

大学受験と同じように予備校(薬ゼミ)の講座を受講する浪人生が多いのですが、一方で大学受験と異なり、予備校には行かず自宅での勉強を主とする「宅浪」生も結構います。

予備校に通って、強制的に勉強する時間を設けるのと異なり、「宅浪」している浪人生は、いかに自分を律して勉強時間を確保するか?がとても重要です。

本人の努力次第だと言ってしまえばそうですが、受験勉強と6年間のつらい勉強に耐えて、国家試験の受験資格を取得した若者たちです。


薬学部しんどい?授業、勉強についていけない?じゃあこれ読め

できれば、次年度以降に再チャレンジ、無事に合格してほしいと思います。

本記事では、薬剤師国家試験で宅浪する(してる)浪人生が気を付けるポイントについて整理しています。

宅浪中の薬剤師国家試験浪人生、またはその御家族の参考になれば幸いです。



薬剤師国家試験で宅浪する浪人生がいる理由


大学受験と異なり、「宅浪」を選ぶ浪人生が多い理由の一つは薬剤師国家試験のための予備校の費用が高額であることです。

1年間浪人しながら、予備校に通うと年間100 ~150万円の授業料がかかります。
国立大学の1年間の授業料よりも高額です。

決して安い金額ではありませんよね。

私立大学の薬学部に通っていた人であれば、すでに1000万円以上かかっていますので、さらに予備校の費用も払う、となると経済的に厳しいものがあります。

また、「薬剤師国家試験の予備校」って大学受験ほど需要はありません。
教室数が圧倒的に少なく、人口の多い中核都市に集中しています。

地方出身者だと自宅から通学できる場所に、適当な予備校がない場合もあり、必然的に宅浪することになります(最近ではオンラインで自宅から授業を受けられる予備校もありますが…)。


薬剤師国家試験は宅浪で十分攻略できる


実際、予備校に行かなくても、宅浪で薬剤師国家試験は攻略できるのでしょうか。

実は、薬剤師国家試験の問題形式は選択問題で、試験の出題傾向も年度によってそれほど変わりません。

結論を言うと、薬剤師国家試験に合格するにはは宅浪で十分です。

極端な話、過去問題や本番形式の問題集をひたすら解くことで、攻略、合格できます。

わざわざ予備校に通わなくても、自分で対策、勉強できると考えて、宅浪を選ぶ浪人生が一定数存在する、というわけです。

私の知人も、数年間の宅浪の末、無事に合格しました。

薬剤師国家試験で宅浪するなら必ず押さえるポイント


ただし、だれでも宅浪して、適当にやってれば大丈夫か?というとそうではありません(当たり前か)。

一人で、自宅で1年間勉強するのは、想像以上に大変ですよ。

たくさんの誘惑もあり、それらに負けない精神量と覚悟が必要です。




薬剤師国家試験浪人生の合格率は低い

しっかりと自覚しておかないといけない点は、「薬剤師国家試験浪人生(既卒者)の合格率は、現役性よりも圧倒的に低い」ということです。

現役生が80%ほどなのに対し、浪人生は平均すると50%くらいです。

現役生よりも長く勉強時間がとれるにも関わらず、合格率が低いのです。

もともと才能がない学生が不合格になった、ともいえますが、やはり1年間黙々と試験対策をすることの難しさが背景にあります。

浪人生(特に宅浪)は、既卒者であることに強い危機感を持って1年間過ごすことが重要です。

4月から浪人生!勉強を再開しよう

薬剤師国家試験不合格となったら、なんとなく「あと1年もある…」なんて楽観的になって勉強を中断していまう人がいます。

合格発表直後はショックもあると思うので、しばらく休息してもいいかと思います。
しかし、不合格となった瞬間から、あなたは浪人生です。

新年度の4月から、自分は浪人生だという自覚をもって、すぐに勉強を再開しましょう。

宅浪する場合は、環境も大きく変わるし、生活リズムも作っていかないといけません。
のんびりしていると、あっという間に1年経ってしまいます。

毎日コンスタントに勉強する

薬剤師国家試験は、試験直前の3ヶ月で詰め込めばいい、という人がたまにいます。
確かに、この方法で合格することは可能です。

しかし、一度不合格となった、「浪人生」である、あなたにこれが当てはまるとは限りません。

試験直前だけでなく、毎日コツコツ、コンスタントに勉強してください。

宅浪していれば、いくらでも自分で時間の調整ができます。

「午前中3時間、午後3時間など」、時間を決めて規則正しく生活するようにしましょう。



宅浪=家で勉強ではなくてもいい

宅浪と聞くと、自宅にこもって、孤独に勉強しているイメージを持つかもしれませんが、必ずしもそうする必要はありません。

自宅にこもりすぎると、ゲームやテレビなどの誘惑もありますし、日光を浴びないと気分が沈んでいきます。

たまには図書館や、近所のカフェで気分を変えて勉強するなど、工夫しましょう。

4~11月までは一日5時間以上勉強すればOK

浪人生は毎日16時間勉強しろ、なんて言う気はありません。

普通のひとはそれでは1年もちません。

感覚としては、4~11月くらいまでは、毎日5時間以上、勉強していれば、大丈夫です。
ちゃんと集中していればの話ですが。

宅浪なら、予備校への通学時間もありませんので、かなり時間的な余裕がある日々を送れます。

ゲームしたり、友人と遊んだりしても大丈夫です。


薬剤師国家試験前の3ヶ月は集中的に

12月以降は、本気で勉強するモードに入ってください。

直前の3ヶ月間は、集中的に勉強します。

毎日の勉強時間12時間以上確保して、ひたすら過去問、本番形式の問題集を解きまくります。

合格までもう少し!



浪人中のバイトはあり、でもほどほどに

浪人中は割と時間があるので、少しアルバイトをするのはありだと思います。

気分転換にもなるし、宅浪してる人は自宅にお金を入れるべき、せめて小遣いと食費くらい稼ぎましょう。

ただし、あまりアルバイトをやるのは危険です。

アルバイト先の仕事に興味が出たような気がして、「薬剤師国家試験合格しなくてもいっか?」なんて思考になったら終わりです。

「逃げ」の思考です。

ここまで来て、薬剤師にならなかったら、大学受験勉強、6年間の大学生活、それにかかった費用がすべて無駄になります。

何年浪人してもいいので、「必ず」薬剤師になるべきです。
深く考える必要はありません。

自分は宅浪が向いているのか?

浪人が決まって、さあ、予備校に行くか、宅浪するか悩むことがあると思います。
自分は宅浪が向いているのか、向いていないのかよく考えることは大切です。

自分に対して厳しい、宅浪中も家族や友人の理解、協力が得られそうであれば、心配ありません。

また、予備校の費用の捻出が不可能、通学できる距離に予備校が無い、という場合も覚悟を決めて宅浪します。

一方で、自分一人で勉強する自信がない場合や、家族が(心配して)強く予備校に通うことを勧めるようであれば、宅浪はやめておいた方がいいと思います。




浪人しても焦らなくても大丈夫だから


以上、薬剤師国家試験で宅浪する際の注意点をまとめておきました。

危機感をあおるようなことも書いてしまいましたが、過度に不安になる必要もありません。
1年や2年浪人する人は結構いますし、最終的に合格してしまえばいいのです。

普通の企業と違い、入社時に周りよりも2~3年年齢が上でも誰も気にしません。

宅浪してみて、再度不合格→やっぱり予備校行けばよかった、となったら翌年は予備校に行けばいいです。

過度に焦らなくても大丈夫です。

では。


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