医学部再受験は50代でもOK!年齢別に考慮するポイントをまとめた


学生時代に医学部、医師を目指していたけれど、学力や経済的な理由で断念した場、やはり医学部に行きたいと考え、大人になってから医学の再受験に挑む人がいます。

また、社会に出て初めて、医師になりたいと考える場合もあります。

20代の若者だけではなく、新聞やニュースで、40代、50代の人が医学部を再受験、合格、なんて記事を目にしたことがあります。

元気で、意欲があれば20代だろうが50代だろうか関係ないのかもしれません。

ただし、いずれにしても、社会人が医学部を再受験するということは、医師になるために「大学の医学部に挑戦、進学する=受験生、学生になる」ということになります。

これは、医師になれる可能性があるという点では、とても魅力的な試みです。

でも、反面、(年齢や家族の状況にもよりますが)、いったん社会に出た大人にとって、再び学生に戻ることは大きなリスク、賭けです。

特に30代以降であればそれなりに仕事をして、経済的に家族や社会に対して貢献をしているのが普通ですからね。

本記事では年齢別に、医学部再受験をする際のリスクや考慮する点について整理しています。



医学部再受験の年齢のデッドラインは?


冒頭とタイトルでも触れていますが、たとえ50代でも医学部再受験することに問題ありません。

実際50代で医学部入学、研修医期間をすごす人も少数ですが存在します。

当然超えるべき、経済的、個人的なハードルはありますが、体力と意欲があれば、論理的には医師になるため、医学部再受験をするためのデッドラインはありません。

何歳になっても医師は働ける


医学部再受験のデッドラインが無いことの理由に「医師は何歳になっても働ける」という点があります。

体力面でも、知能(頭脳)の面で耐えうるレベルであれば、何歳になっても医師として働くことは可能です。

サラリーマンのように60歳や65歳で定年する必要は必ずしもなく、70歳を超えても雇用してくれる病院、診療所はたくさんあります。

実際、過疎化が進行し、町に一人しか医師がいない、という地域では70歳を超えた医師が地域の医療を支えていることがあります。

医師は何歳になっても働けるため、たとえ50代で医学部再受験して、遅咲きの医師になった場合もその後に、十分、医師として活躍する人生が残されています。


医学部に入学する人の年齢


医学部はとても難易度が高いため、高校卒業後に現役で合格するひとは多くありません。
実際に医学部を受験、入学する人の年齢はどれくらいなのでしょうか。

平成28年の厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査結によると、臨床研修医の平均年齢は27.9歳となっています。

研修医期間が2年とすると、1年目の研修医の年齢は27.5歳、2年目が28.5歳とったところでしょうか。

ここから医学部の在学年数6年を考慮すると、おそらく医学部に入学する年齢は20~22歳くらいが平均ということがわかります。

20代前半での医学部再受験や、3~4年の浪人なら、特に違和感なく医学部の学生として過ごせそうですね。

医師の平均年齢は50代以上


医師は何歳になっても働けると前述しましたが、実際に勤務している医師はどれくらいの年齢なのでしょうか。

これについても平成28年の厚生労働省の医師・歯科医師・薬剤師調査結を見てみると、全医師の平均年齢は49.6歳つまり50歳です。

しかも、年々この年齢は上昇しています。

社員の平均年齢が50代以上という会社は稀ですよね。

いかに、医師が長く働けるかがわかります。

勤務先別では、病院に勤務する医師の平均年齢は44.5歳、診療所に勤務する医師の平均年齢は59.6歳となっています。

診療所のほうが体力的に楽なのかもしれませんね。

もしも40代、50代で医学部再受験して医師を目指すのであれば、診療所勤務の医師を念頭においておくといいということです。

医学部再受験のリスクは年齢によって異なる


ここまでで、たとえ50代で医学部再受験して医師になっても何とかなることがわかりました。

一方で、いったん社会にでたあとで、医学部の学生という立場に戻ることのリスクについて考えなくてはいけません。

この点については、年齢によってどうしてもリスクの大きさが変わってきます。






20代の医学部再受験


20代はまだまだ若く、社会的にも学生という立場であることが許される年代です。

かりに医学部再受験に、数年間挑戦した結果、失敗したとしても、後戻りが可能な年齢です。

医師に無事なれれば30代前半~後半くらいですので、現場にでてもバリバリやれるでしょう。

ただし、20代となると、社会人を経験していても、数年程度ですのでお金(貯金)はあまりありませんので、それが唯一の懸念です。

仕事を辞めて学生に戻るとなれば、当然生活費と学費を工面する必要があります。
もしも両親が健在ならサポートしてもらえる可能性もあります

30代の医学部再受験


体力もまだありますし、頭も切れていますので受験や大学での勉強にもついていける年代です。

十分に社会人経験もあるので、それらが医師になったあとで活きてくる可能性もあります。

良い、お医者さんになれますよ。

ただし、この年代で、医学部に行って学生に戻ると、結婚や出産といったライフイベントが犠牲になる可能性は大です。

そして、もしも、既婚、子持ちなら、さらにリスク大。

家族の理解が必要で、生活費や、子供の養育費、自身の学費の工面をどうするか、かなりシビアに考えなくてはなりません。

なんとか苦しい受験生、学生の期間を乗り越え、子どもがまだ小さいうちに卒業、医師になれれば万事OKですが。

医学部再受験したものの、無理だった…という場合いのダメージも大きいです。
引き際が肝心。

再就職のことを考慮すると、40歳になる前までには、撤退するか、最後まで戦うかは決める必要があります。

40代の医学部再受験


この年代だと、既婚者であれば割と大きい子供いるケースも多いでしょう。

中高生の子供がいる=これから一番お金がかかる時期です。

家庭があり、子供がいるならリスクは最大となる年代です。

正直、よほどの自身がなければ、医学部再受験なんかやめておいた方がいいと思います。

一方、独り身、十分な貯蓄があるならば状況もうすこし楽観的です。

ただし、最終的に断念した場合の、リスク(再就職先が無い)は30代よりもはるかに大きくなります。

看護師や薬剤師といった、医療系の資格があればなんとかなりますが。






50代の医学部再受験


50代だと、サラリーマンだと年収がピークアウト、子供もだいぶ大きく、場合によってはすでに独り立ちしています。

じつは、30代、40代と比較して、50代の医学部再受験はリスクが少ないことがあります。
貯金があればアーリーリタイアするひともいる年代ですから。

計画的に人生を歩んでいれば、この年代で医学部再受験というチャンスが巡ってきます。

医師になったあとの勤務期間が短いのが残念ですが、頭と体が元気なら何歳でも働けるので、健康面で不安がなければOKですよ。

あと、メリットといえるか、デメリットになるかはわかりませんが、50代で医者になると、3~4年目でも、患者からはベテランと思われるでしょうね。

一つ大きな懸念としては、50代の医学部再受験、一人前の医師になるには、激務といわれる研修医時代をどう乗り切るかにかかっています。

周りは20代、30代の研修医ばかりですからついていけるかどうかがポイントになります。


医学部再受験は50代でもOK!まとめ


一旦社会にでた(または仮面浪人でも)後に、医学部再受験する際のポイントを整理しましました。

できれば若いうちがよさそうですが、意外と50代での医学部再受験もありだと思います。
とくに、もしも薬剤師や看護師出身者なら、それらの知識が臨床でも役に立つと思いますし、失敗した場合も復職することが容易だと思います。

もし医学部再受験を考えている人がいたら、年代ごとのリスクと、置かれている状況を考えながら、チャレンジしてもらいたいですね。

参考になれば幸いです。

では。

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