薬学部向け奨学金(返済免除)を知ってるか【薬学生必見】

私立大学の薬学部の学費が他の理系学部と比べて高額であることは有名です。

裕福な家庭であれば何とか工面できますが、そうでもない場合は、アルバイトや奨学金制度を利用する必要がありますよね。

日本の奨学金の多くは、貸与型といって、いわゆる学生が借金をする形式です。

そのため、卒業後に働きながら少しづつ変換していくことになりますが、学費に対して薬剤師は年収が低い、コスパが悪いなんて言われていて、不安もあります。

一方、返済が免除される、給付型奨学金もありますが、金額も、学生の枠もそれほど大きくなく、かなりの競争があります。

そこで、お勧めなのが、「薬学部の学生のみ」が応募できる、薬学部向けの奨学金制度です。

条件を満たせば返済が免除される「給付型」の奨学金がいくつかありますので、本記事で概要と一部の例を紹介しておきます。




普通の奨学金は貸与型


多くの学生が利用しているであろう、最もメジャーな奨学金は「日本学生支援機構」が運営している奨学金ですね。

第一種と第二種があり、それぞれ無利子または、かなりの低金利で、学生に奨学金として毎月数万円が貸与されます。

家庭の所得が少なければ無利子の第一種奨学金を受給できます。

私も、高校から大学院の修士課程まで第一種の奨学金から合計約500万円を借りていました(2019年現在も少しずつ返済中です)。

おかげで、無事に高校から大学院まで勉強することができたのですが、卒業後に就職して無事に返済できるのか、という不安は在学中、頭にどこかにはありました。

給付型奨学金は日本では少ない


世の中には、返済が初めから不要または、ある条件を満たすと返済免除となる奨学金があります。

給付型奨学金と呼ばれるものです。

昔は、日本学生支援機構(旧 日本育英会)の奨学金も、卒業後、教員になって数年間勤務すれば返済免除となっていたそうです。

ただし、不景気と日本社会、日本人の気質もあり「借りたものを返す」ということで、この給付型の奨学金はそれほど普及していません。

一部の民間企業や財団が運営している給付型の奨学金もありますが、よほど優秀な学生や、強いコネが必要で、一般学生にとっては狭き門となっています。

米国などの海外では、奨学金といえば、返済免除の給付型が一般的だそうです。
貸与型は、学生ローンと呼ばれています。




学費がなくて薬剤師になれないのは避けたい


ただでさえ、私立大学の薬学部は学費が高く、薬剤師になるにはお金がかかりますが、平成18年(2006年)より、薬剤師の大学教育が6年生となったため、さらに負担が増しています。

学費だけでなく、一人暮らししながら通学している場合、家賃をはじめとした生活費も1.5倍かかるわけです。

別記事(薬学部の学費高い!必要な親の年収は?お金がないと薬剤師になれないの?)でも書いていますが、親の年収がある程度ないと、なりたくても薬剤師になれないなんてことが起こってきます。

優秀な学生や、高い意欲をもった学生が将来医療に携わってくれないと、超高齢化することが分かっている日本社会は困ってしまいます。

お金がなくても薬学部に通って、薬剤師になれる環境をつくっていきたいものです。


医療系資格向けの奨学金(返済免除)がある


そこで、じつは世の中捨てたものではありません!

お金がない、将来返せるかどうかわからない奨学金には不安があるが、優秀でぜひ、日本の医療現場で尽力したいという学生のために、医療系資格向けの奨学金(返済免除)があります!

これらの奨学金は、卒業後に、特定の地域で一定期間就業することを条件に、奨学金を給付し、条件をみたした場合に返済を免除するというものです。

これらの奨学金は、離島や過疎化地域での医療現場での人手不足を解消するために、各自治体や病院が資金を拠出している制度です。

医師や、看護師での募集が数としては多くなっていますが、薬剤師向けのものもあります。




薬学部向けの返済免除奨学金制度


いくつか調べたところ、下記のような自治体、病院で募集枠があるようです。

京都府綾部市 綾部市立病院

対象学年:薬学部5・6年生
給付額:月額 62,000円以内

返済免除条件:大学を卒業後1年以内に薬剤師の免許を取得し、綾部市立病院、直ちに就職かつ、貸与を受けた期間以上従事すること。

参照:http://www.ayabe-hsp.or.jp/patient/yakuzaishougakukin.html

医療法人 清仁会

給付額:月額 10万円

返済免除条件:関連病院に勤務し、貸与を受けた期間+1年以上従事すること。

出典:シミズ病院グループ【薬学生「奨学金制度」のご紹介!】(https://www.shimizu-hospital.or.jp/)


兵庫県民主医療機関連合会

対象学年:薬学部全学年(ただし留年した場合、奨学金の契約を解除)

給付額:1~4年生 月額 40,000円、5・6年生 月額 50,000円

返済免除条件:貸付期間と同期間兵庫民医連の事業所に勤務すること

参照:http://www.hyogo-min.net/pharmacy-student/bursary.html



そのほか、奨学金返済中の薬剤師について、返済を肩代わりする制度を独自で儲けている病院もあります。

今後、社会が高齢化するなかで、こういう制度が増えてくる可能性がありますので、随時チェックしてみてください。

では。


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